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未病シンポジウム「人生100年時代の未病最前線」

イベント・フォーラム

[未病シンポジウム](1)体の衰えと共生 健康セルフケア

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 未来貢献プロジェクトの未病シンポジウム「人生100年時代の未病最前線」(読売新聞社主催)が11月13日、東京都港区の品川グランドセントラルタワーで開かれ、約400人が参加した。大谷泰夫・神奈川県立保健福祉大学理事長と鄭雄一・東京大学教授が、長い人生の終盤、健康とは言えなくとも病気ではない「未病」で過ごすために必要な知識や行動について講演した。その後、未病に関連した商品やサービスを企業の担当者や医師が紹介した。最後に、女優の杉田かおるさんが、母を介護した体験から、未病の大切さを語った。

 主催・読売新聞社
 後援・日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、日本薬剤師会、日本健康生活推進協会
 協賛・アンファー、日清オイリオグループ、ファンケル、ロッテ

健康リテラシー高めて…神奈川県立保健福祉大学理事長・大谷泰夫氏

[未病シンポジウム](1)体の衰えと共生 健康セルフケア

 平成も終わろうとする今、平均寿命も延び、健康か病気かという二分法で考える人生ではなくなりました。病気と健康が共存する状態、やや調子が悪くても現役生活という未病の状態が、実は人生で相当長い時期を占めるようになりました。

 未病でいるには、医療はじめ専門家のサポートを受けながら、どう生きたいかを意識して行動すること、生活習慣を見直すことが求められます。たとえば、お酒を味わい長生きしたいなら、飲み方があるでしょう。毎日浴びるほど飲んでいたら、早い時期に飲めなくなる。このように考えたら生活は変わります。

 未病は、治すという呪縛からの解放でもあります。血圧は下げなければ、病気は治さなければと思い込んでいませんか。高齢化に伴う症状は基本的には、治りません。症状の悪化のスピードをどう抑え、体の劣化とどう共生するかを考えた行動が大切です。その際、身近な商品やサービスを適切に活用したいものです。

 そこで一番必要なのは、健康リテラシー。体に良いことを知り、それを行動に結びつけることが、非常に大事です。

 一昨年春、日本健康生活推進協会を作り、日本健康マスター検定(健検)を始めました。検定はこれまで3万6000人が受検し、2万人以上が健康マスターという資格を取得しています。未病の取り組みは、企業や教育機関などで着実に進んでいます。

  <日本健康マスター検定(健検)>  健康な生活や健康に関わる仕事のための知識やスキルを問う。自らの健康作りに役立つ入門編「ベーシック・コース」では、食事や睡眠、運動など心身に良い生活習慣などが問われる。職場や地域での健康作りのリーダーを目指す「エキスパート・コース」では、医療・介護の公的制度など政策も詳しく問われる。次回は来年2月24日、全国43地区で実施される。申し込み締め切りは同1月21日。

 ◇おおたに・やすお 1953年生まれ。東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)入省。厚生労働審議官などを経て、2014年退官、16年まで内閣官房参与。18年4月から現職。

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