医療大全
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【子どもを守る】逆境の先に(2)「親が精神疾患」支えたい
深夜、激しく口論する声に跳び起きた。階下に駆けつけると、床に血のついた包丁。血まみれの手首を義父に押さえられ、ぼう然とする母――。
神奈川県の坂本拓さん(27)は、中学時代、リストカットした母(50)の姿に息をのんだ。結婚と離婚を繰り返してきた母が、パートナーとけんかするのは日常茶飯事。ただ、こんなに感情を爆発させたのは初めてだった。
母の体調が優れなくなったのは、このころからだ。仕事に行かず、家で横になる時間が増えた。朝、母の表情が暗い時は、授業が終わると友達の誘いを断り、まっすぐ帰宅。夜も気になって眠れなくなった。
母や義父からは何一つ説明がなく、不安は募るばかり。他人に「ダメな母」と思われたくなくて、外では家庭の事情を伏せた。
高校2年生の時ようやく母が教えてくれた。うつ病とパニック障害の診断を受け、薬の治療を続けながら通院中だという。
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