思春期の子どもを持つあなたに 関谷秀子
医療・健康・介護のコラム
第2部「うつ状態」(下)「両親の不仲は自分のせい?」…子どもの罪悪感を解消するために
問題はどこにあるのか、見極めを
大切な両親の関係が改善したことで、B君は明るさを取り戻し、引きこもりがちだった自室から、外に出る機会も増えていきました。常に澱のように心の中に沈殿していた悩みの解消が、うつ状態を脱するきっかけになったのです。
間もなく登校を再開し、仲間の輪にも積極的に入ることができるようになり、親しい友人もできました。
仲間とのコミュニケーションによって自我理想を取り戻したB君は、志望校合格に向けて再び努力を開始しました。
家庭環境、そして学校内の孤立によって、B君には無気力や抑うつ気分などのうつ症状が見られましたが、親ガイダンス、そしてカウンセリングが功を奏したことで、抗うつ剤などの投薬治療の必要はありませんでした。
発達課題が乗り越えられないために、うつ状態に陥る思春期の子どもは少なくありません。
そのため思春期の子どもの場合には、まず問題の所在がどこにあるのかをしっかり見極めなければ、同じことを繰り返す危険があります。
今現れている症状の背景にあるものとして、子どもがどのような発達段階にいて、どのような発達課題が行き詰っているのかに目を向けることが必要です。
そのような場合、親は無理やり子どもを精神科や心療内科に引っ張っていくのではなく、まずは親が医師やカウンセラーなどの専門家に相談し、子どもの今の様子やそれ以前の状態などを詳しく伝えることが大切でしょう。そして、子どもの本当の気持ちや行動の元となっている考えをより深く理解できるように、質問や説明をする専門家を選ばれると良いでしょう。(関谷秀子 精神科医)
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自分の子ども時代を思い出しました。我が家も両親の不仲でいつも母親から愚痴を聞かされ、どちらの親の味方か、どちらにいなくなって欲しいかなど聞かれていました。親同士の罵り合いを常に見ていました。
大学時代からうつ状態が続き回復まで長い期間を要しました。結婚して子どももいて幸せな今でも昔を思い出し眠れない日があります。
夫婦関係は簡単ではないですが、子どもは絶対に巻き込んではいけない。そう思います。
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