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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

コラム

5歳児VS認知症のじいちゃん…火花散るチャンネル争い

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漫画・日野あかね

リモコンの奪い合いは激しくも静かに 

 ある日、私の息子のたー君が岡崎家の居間のテレビで大好きなアニメを見ていました。そこへデイサービスから帰ってきた父さんが、たー君が握りしめていたテレビのリモコンを取り上げて、自分の好きな旅番組に変えてしまったのです。

 すると、たー君がすぐに父さんの手からリモコンを奪い取り、アニメにチャンネルを戻します。だが父さんも引かず、リモコンを取り返しました。

 2人の戦いは、激しくも静かに続きます。それを横から見ている私がコロコロ変わる画面にイライラしてしまい、「ちょっと父さん、たー君が楽しく見ているところなんだから、チャンネルを譲ってあげてよ!」と注意しました。

カワイイ孫にも容赦なし

 だって、普通なら、おじいちゃんがカワイイ孫の見たい番組にチャンネルを合わせてあげるんじゃないの? でも、父さんは普通のおじいちゃんとちょっと違います。たった1人の孫であるたー君を愛してやまない父さんですが、認知症が進んで感情を抑えるのが難しくなっているためか、「こうしたい!」と思ったら、幼い孫だろうがなんだろうが容赦しません。

 そうとわかっていても、私は一般的なおじいちゃんと孫の光景にとらわれているところがあるので、ついそんなふうに言ってしまったのでした。

 すると、たー君が「カチャカチャしながら、じいちゃんと一緒にテレビを見ているから、これでいいの!」と言うのです。意外な発言に「えっ、そうなの!?」と、驚きました。私が同じことをしたら、「母ちゃん、チャンネルを変えないでよ!」とモーレツに怒るのに。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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