すてきLIFE
医療・健康・介護のコラム
[秋本可愛さん]介護の若手リーダー育成
団塊の世代が75歳以上になり、介護の需要がさらに高まる「2025年問題」に取り組む若手のコミュニティー「KAIGO LEADERS(カイゴリーダーズ)」を設立し、5周年を迎えました。
きっかけは、大学生の時、デイサービスでアルバイトをしたことです。おじいちゃん、おばあちゃんにかわいがられ、仕事は楽しかったのですが、課題もたくさん見えました。家族が介護に疲れ、本人が「生きていることが申し訳ない」と話していたり、2年間勤めた私が古株になるくらい、職員の離職率が高かったり。
25年には社会の支え手として中核を担うのに、介護の問題に目を向ける同世代が少ないことに危機感を持ち、活動を始めました。
今は、高齢者のケアや働き方など各分野のトップランナーを講師に招き、約100人がグループディスカッションをする学びの場を開催しています。実際に課題解決に向けて動く人が増えるよう、職場改善案や起業プランを持ち寄り、参加者同士でアドバイスし合うプログラムも提供しています。
事故の一歩手前の「ヒヤリハット」ならぬ、楽しい出来事「にやりほっと」を職員で共有する職場改善や、介護職員が気軽に医師に質問できるチャットサービスなど、新たな取り組みが次々と生まれています。
東京に加え、今年、関西と北陸にも拠点ができました。20年までに全国8か所に広げたいです。
私たちの世代はリーダー志向のない人が多いと感じていますが、「カリスマリーダー」というより、地域の現場の課題に向き合える人を育てていきたいです。
◇あきもと・かあい 27歳。山口県生まれ。大学卒業後、人材教育会社「Join for Kaigo(ジョイン フォー カイゴ)」(東京)を起業。介護事業者に対し、採用支援や若手職員の研修などを行っている。
(田中ひろみ)
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