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共に働く

妊娠・育児・性の悩み

第4部[あしたの夫婦像]村木厚子さんに聞く(下)きっと何とかなる

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 ――官僚時代、男女雇用機会均等法の定着や、育児・介護休業法改正などに関わった。高齢者が増える一方、現役世代(15~64歳)は減る傾向が今後も続く。労働力確保の点からも、共働きしやすい社会の実現に注目が集まる。

育児・仕事 あきらめず前へ

 

第4部[あしたの夫婦像]村木厚子さんに聞く(下)きっと何とかなる

吉川綾美撮影

 社会保障と税の一体改革を進めるにあたって、様々なデータを調べたが、北欧など女性の労働力率の高い国は出生率も高い。一方で、日本はまだ仕事と出産を二者択一する社会になっている。働く人を増やし、出生率を上げたいという時に、「どちらかを選びなさい」は最悪の道でしょう。

 現在そして未来の支え手を増やす意味でも、働きながら子どもを育てられる社会にすることは、日本にとって最も重要な課題です。そのためには、保育や介護の環境をきちんと整備した上で、長時間労働の是正や、色んな人が自分に合った働き方で公正に処遇されることが大切になる。6月に成立した働き方改革関連法はその第一歩。労使とルールを作っていくことは、国の大事な仕事です。

 ――連載では、家事育児の大半を一人で切り盛りしたり、結婚を機に非正規に転じたりした母親たちを紹介してきた。ワンオペ育児や、出産後に昇進コースから外れる「マミートラック」という言葉が広まる中、キャリアをどう築くか、両立に不安を抱える若者も多い。

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 一つは、夫婦で家事育児を担うことです。夫と妻の働き方は裏表。女性だけに負担がいくと、どんどんマミートラックや「二軍選手」という働き方になってしまう。

 もう一つは、気にしすぎないこと。一時スピードダウンして周囲と差がついたように見えても、いずれ追いつこうと努力していれば、その差なんて10年20年たてばなくなっちゃう。むしろ子育てを理由に、不本意なコースに移るのはお勧めできません。大事な子どもを預けて働くのなら、やりがいを感じられる仕事をした方がいい。できるようになった時に、またスピードアップすればいいんです。

 経済協力開発機構(OECD)の調査で、日本では多くの女性が学歴を生かせる仕事に就いていないことがわかっている。大変な人材の無駄遣いです。何らかの理由で誰かが減速することに対して、もう少し寛容になって、その時期は組織でカバーする。日本全体の生産性をみれば、その方が絶対得になる。

 ――同期入省の夫と、長く共働きを続けてきた。現在、そしてこれから共働きをする夫婦にメッセージを。

 世の中は、すごくゆっくりだけど、仕事しながら子育てをしやすい方向に確実に動いている。男性の家事育児への参加も、これまたゆっくりですが確実に。何でもやってくれたうちの夫は「希少種」でしたが、今や男性が子どもを抱っこしていても、誰も不思議に思いません。

 両立が大変じゃないといったらうそになるけど、私は夫の「たくさんの苦労で、たくさんの幸せだからいいんじゃないの」という言葉にすごく救われた。最近、働きながら子育てする長女に、「働く母親を持ってどうだった」と聞くと、「お母さん、楽しそうにしてたよね。だから社会に出るのが怖くなかったよ」って。夫は定年退職後、バックパックを背負い、娘たちとヨーロッパ旅行をしました。「イクメンって報われるんだな」と思いました。

 仕事を通じて、たくさんの人から「ありがとう」って言ってもらった。長く付き合っていける人にも出会えた。満点のお母さんじゃなかったけど、家族というチームでやってこられたことも良かった。あきらめず前に進んでいるうちに、開けてくる道があると思うんです。職場の先輩たちが私に言ってきてくれたように、きっと何とかなりますよ。

 (第4部は久場俊子、藤本綾子が担当しました。「共に働く」は今回で終わります)

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 〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「共に働く」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。ツイッターは https://twitter.com/o_yomi_life_edu

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tomonihataraku-500

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結婚、出産後も働き続ける女性が増える一方、育児との両立の難しさやキャリアアップを描きにくい現状はあまり変わりません。女性が真に活躍するために何が求められているのか。現代の「共働き事情」を描きます。

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