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一病息災

闘病記

[シンガー・ソングライター EPOさん]母親からの虐待~急性ストレス障害(3)癒やしの曲作りへ転換

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[シンガー・ソングライター EPOさん]母親からの虐待~急性ストレス障害(3)癒やしの曲作りへ転換

 母親の異様な行動は、20代になっても続いた。留守のマンションに忍び込み、私物をチェックしたり、著名人である実の娘のありもしない作り話や、うわさを近所で流したりした。

 当時の作風は、毎日を前向きに楽しむ女の子の姿を、ポップなメロディーに乗せた明るい曲ばかり。本人の過酷な半生とは真逆のイメージだ。

 「母に受け入れてもらいたい気持ちと同様に、周囲の期待に応えたいとの思いだけで歌を作っていましたね」

 急性ストレス障害から回復した頃、仕事に大きな転機がやって来た。英国の大手レコード会社との契約がまとまり、日本の音楽界を飛び出す決意をした。

 現地のプロデューサーからは「あなたの声質は、人の心を癒やす方に使うべきだ」と進言された。やりたかった音楽の方向を示唆され、やっと自分の居場所がはっきりわかった気がした。

 「明るくポップな音楽は好き。でも、当時の私を表現したものではなかった」

 英国でアルバム、シングル2曲を発売し、新しい音楽作りへの確信を深めた。

 帰国後、活動を再開した。かつての売れ線から離れ、人の心に寄り添うような深みのある旋律や歌詞の作品が増えた。ヒットは出にくいジャンルだが、支えてくれるファンは多かった。

  シンガー・ソングライター EPOさん(58)

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