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将来の給付水準はどうなる?

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政府が5年に1度見直し

将来の給付水準はどうなる?

 少子高齢化が進んで、年金を受給する高齢者が増え、保険料を納める「支え手」世代は減っています。このままでは公的年金の財政を維持していくことが困難になってしまうため、政府は2004年、年金をもらい始める時点での給付水準を、少しずつ下げていくことを決めました。

 給付水準について考える際に重要なのは、単純に受給額では比べることができないという点です。例えば、今と30年後で、年金額が「10万円」で同じだったとしても、スーパーで売っている物の値段や生活水準などが変わっていれば、実質的な価値が違ってしまうためです。年金の価値を示すには、金額以外のものさしが必要なのです。

 具体的には、「現役世代の男性の平均的な手取り収入」に対し、「平均的な賃金で40年間会社勤めをした夫と、同い年で40年間専業主婦の妻(モデル世帯)が65歳時点で受け取る年金額」がどのくらいの割合になるかを計算した「所得代替率」で考えます。

 では、給付水準はどの程度下がっていくのでしょうか。14年の厚生労働省の試算を図表に示しました。モデル世帯の年金月額は、夫婦それぞれの国民年金(基礎年金)と夫の厚生年金を合わせ、21.8万円です。現役世代の平均手取り月収は34.8万円なので、62.7%にあたります。この数字が所得代替率です。

 経済が一定条件で成長する仮定で、現在53歳、30年度に65歳となるモデル世帯の年金受給額は、月23.1万円です。金額を見れば、14年度より増えていますが、現役世代の収入が月40.8万円と大きく伸びるため、所得代替率は、56.5%に低下します。現役世代の暮らし向きが豊かになったほどには、高齢者の年金額は増えません。年金の実質的な価値は目減りするのです。

 所得代替率は、若い世代ほど下がり、50%に近づく見通しです。ただ、50%を下回らないように調整されます。政府は5年に1度、年金財政が今後も安定的に運営できるかを検証し、給付水準の見通しも見直します。次回の検証は、来年行われる予定です。

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