40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
[小さな暮らしの始め方](後編)「お金があっても不幸な人」はなぜいるのか? 家計簿を色分けして「生き金」の使い方を知ろう
「生き金」か「死に金」か 自分の感性で判断
やり方は、簡単です。図のように、まずは3000円以上の支出を一覧表に書き出します。次に、そのなかで、将来に役立つ「生き金」だと感じたものは緑、逆に「死に金」だと感じたものは赤、「必要コスト」だと感じたものには黄色の○をつけます。
ここで大事なことは、自分の心の動きを感じてみること。「一般的に見て『生き金』か『死に金』か」を推測するのではなく、自分自身の心に向き合って、自分で判断するのです。
「お金のおへそ」を見つけて管理を
なぜ、そうすることが必要なのか? それは、「お金のおへそ」を見つけなければ、「お金のこと」をちゃんと考えることができないからです。私は、「お金のことをちゃんとする」の最初の一歩は、「お金を使った時のワクワク感を思い出すことなのではないか?」と、考えています。「アレをしたい」「コレが欲しい」。例えば、「来月は夫の誕生日だから、家族でちょっと奮発した食事に行きたい!」とか「ベッドリネンは、お気に入りのブランドでそろえたい!」といったことは、誰でも経験があるのではないでしょうか。その時の、ワクワクした気持ち。そうした経験のことを、私は「お金のおへそ」と呼んでいます。
こうした自分の「お金のおへそ」を認識しておくと、「お金のことをちゃんとしなきゃ!」ではなく、「やりたいことのために、お金をしっかり管理しよう!」そんな気持ちに自然となっていきます。そうなれば、最近使ったお金が「生き金」なのか、「死に金」なのかも見えてくるものです。また、罪悪感が残るようなお金の使い方も、少なくなるのではないでしょうか。
お金は、本来、私たちを楽しく、豊かな気分にさせてくれるエネルギーです。お金の色分けをして、自分が「生き金」と思ったものこそ、あなたのワクワクの源! 本当に大切だと思うのであれば、お金を使ってもうれしいし、スッキリした気分になります。
自分基準で厳選した「大切なもの」だけに囲まれて生きることこそが、老後に意識したい「小さな暮らし」ではないでしょうか? お金に対しての混乱を少し整理して、一緒に「小さな暮らし」始めませんか?(楢戸ひかる マネーライター)
イラスト:西島秀慎
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