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その医療 ホントに要りますか?

コラム

コレステロールの影響に男女差 女性はあまり気にする必要なし!?

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古い指針に沿って安易に薬物療法

 ところが、実際にはLDLが180より低くても、診断基準値の140を超えると、多くの人が薬による治療を受けています。

 その原因は、以前に定められた治療指針にあります。日本動脈硬化学会は、1997年に作ったガイドライン(指針)で、総コレステロール220以上を高脂血症とする、という診断基準を定めました。この数値が、閉経後の女性などへの薬物療法の適応基準とされ、「スタチン剤」と呼ばれるコレステロール治療薬が爆発的に売れるようになりました。

 ところが、この基準値には医学的な根拠がほとんどありませんでした。後の同学会の指針で「(この数値は)必ずしもわが国のエビデンス(科学的根拠)に基づいたものではない」と指摘されたほど、ずさんなものでした。

 総コレステロール220以上という数値は、LDLコレステロールでは140以上に相当します。学会はその後、指針を改め、治療の手段は食事、運動療法が基本だとしていますが、総コレステロール220以上で薬物療法を開始する、という以前の指針が、今もなお安易な薬物療法を広げているのです。田中医師は「指針が“コレステロール恐怖症”をあおった結果だ」と批判します。

薬よりも食生活で

 実は、治療薬のスタチン剤は、女性に対して有効というデータがほとんどありません。例えば、欧州で行われた大規模試験では、男性では薬物療法による心筋梗塞などの予防効果が示されましたが、女性では効果が見られませんでした。多くの試験を総合した解析でも、結果は同様です。

 薬に効果がない、というのでは心配になりますね。しかし、田中医師は、薬物療法より重要なことがあると言います。それは食生活上の注意です。

 食事に含まれる脂肪のうち、リノール酸が多いとLDLコレステロールが上昇し、動脈硬化が進みやすくなります。リノール酸は植物油に多く含まれます。

 逆に、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といったオメガ3脂肪酸の摂取が多いと動脈硬化が進みにくくなります。これらは魚に多く含まれる脂肪です。田中医師は、リノール酸が多い植物油を避け、魚を多く食べることを勧めています。

 こうしたコレステロールに関する考え方は、10月に発行された田中医師の著書「男は40代、女は50代から悪玉コレステロールの罠にはまるな」(青萠堂)に詳しく解説されています。(田中秀一 読売新聞東京本社調査研究本部主任研究員)

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tanaka200

田中秀一 (たなか・ひでかず)

 医療情報部(現医療部)、社会保障部、論説委員、編集局デスクを経て現職。長期連載「医療ルネサンス」を18年担当、現代医療の光と影に目を凝らしてきた。「納得の医療」「格差の是正」をテーマとしている。

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2件 のコメント

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数値より真のアウトカム・疾患予防が重要

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女性の閉経後のコレステロール上昇はよく知られていますが、日本人女性は心疾患リスクが欧米よりもずっと低く、スタチンでの一時予防はほとんど見込めません。糖尿病等の高リスク患者でなければ、治療必要数(NNT)は、500以上ともいわれています。

また、本記事で記載されている頸動脈エコーについても、真のアウトカムではなく代用アウトカムに過ぎません。症状のない方に対する頸動脈エコーのスクリーニングの有用性と害についてのエビデンスは現時点では不十分と認識しています。

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血圧でも同様の問題がありますが、測定ミス、測定誤差、個体差なんかが忘れ去られて実際に臓器や支配血管がどれくらい傷んでいるかの評価がもっと大事なことが知られていません。
数値は指標であって絶対的なものではないのです。

今は多くの生活習慣病が全身の血管の疾患と考えられていて、表面にあり、かつ倫理的にも扱いやすい頸部エコーの全身血管の評価の指標としての価値は高まっています。

血圧の数値目標もそうですが、そういう所を切り口に国民が健康に関心を持ち救急車に乗る前に医療機関でリスク管理をされるようになればと思います。

当然かかりつけ医の手に余るような検査もあるかもしれませんが、毎月のように大掛かりな検査が必要な人は極めて稀ですので、かかりつけ医が大病院に患者を取られると無用に怯えられる必要もないと思います。

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