健やかキッズ
妊娠・育児・性の悩み
座って歯磨き 事故防ぐ
スキンシップ兼ね 楽しく習慣づけ
幼い子どもが自分で歯磨きをしている最中に、歯ブラシをくわえたまま転ぶなどしてけがをする事故が相次いでいる。床に座って歯磨きをさせる、歯磨き中は保護者がそばで見守る、といった配慮が必要だ。
■歯ブラシくわえ転倒
子どもは個人差はあるものの、生後6~8か月ごろから乳歯が生え始め、3歳ごろには上下10本ずつ乳歯が生えそろう。6歳ごろには、乳歯列の後方に永久歯が生え始める。
虫歯予防のためにも、乳幼児期のうちから、生活習慣として歯磨きを定着させることは大切だ。
しかし、消費者庁に協力医療機関から寄せられた事故情報によると、2010年12月から16年12月末までに、6歳以下の子どもによる歯磨き中の事故は計139件あった。そのうち3歳以下は124件と約9割を占める。
発生時の状況をみると、「歩くなどして転倒」が66%、「ソファなどから転落」が14%、「人や物にぶつかる」が10%など。子どもが歯ブラシをくわえたまま転んで、歯ブラシが口や喉に突き刺さってけがを負うケースが目立つ。
同庁の担当者は「歯ブラシは、箸やフォーク、鉛筆のように先が鋭くとがっていないので、危ないという認識がない大人も多いが、重大事故につながるおそれがある」と指摘する。
■大人も歩かずに
事故を防ぐには、どんな注意が必要だろうか。
公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(東京)の歯科衛生士、福田真紀さんは「子どもに一人で歯磨きをさせる時は、なるべく床に座らせ、保護者はそばで見守ってほしい」と呼びかける。
立ったままの状態や、ソファや椅子、洗面所の踏み台などの上での歯磨きは、転んだり転落したりする恐れがある。床の上に電気コードやクッションなど転倒の原因になる物を置かないことも必要だ。
福田さんは「子どもは大人のまねをする。保護者が、子どもの前で立ち歩きしながら歯磨きをするのは控えてください」と話す。
■「仕上げ用」は渡さない
歯ブラシは、子どもの口の大きさに合わせて選ぶようにする。商品には年齢別に「0~2歳」「3~5歳」などと表示されている。
保護者向けの仕上げ磨き用の歯ブラシを利用する家庭は多いが、子ども用の歯ブラシに比べて長い。子どもが口にくわえると、誤って喉を突く危険性が高いので、子どもの手の届かない所に保管する。
安全対策を施した歯ブラシもある。
子どもが手で握るハンドル部分に喉突きを防止する安全カバーが付いた商品や、ハンドル部分が柔軟性のあるシリコーン製で、折れないような商品などが販売されている。
福田さんは「子どもが一人で安全に歯磨きができる習慣を身に付けさせるためには、親子で毎日、楽しい歯磨きの時間を作ることが効果的」とアドバイスする。小学生になるまでは、保護者がそばで歌を歌ったり、保護者の膝を枕にして子どもを寝かせて仕上げ磨きをしてあげたりするなど、スキンシップの時間にするといいという。
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。