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一病息災

闘病記

[シンガー・ソングライター EPOさん]母親からの虐待~急性ストレス障害(1)母のウソ 壊れた自分

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[シンガー・ソングライター EPOさん]母親からの虐待~急性ストレス障害(1)母のウソ 壊れた自分

 19歳でデビューし、「土曜の夜はパラダイス」「う、ふ、ふ、ふ、」など、時代の空気をすくい上げたようなポップな楽曲で、大ヒットを連発した。

 毎日がめまぐるしく過ぎていた1987年。その日はサザンオールスターズ・桑田佳祐さんのラジオ番組にゲスト出演の予定だった。

 外出の準備をしていたら、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると母親が立っていた。幼児期から、自分への虐待を重ねてきた手には、包丁が握られていた。

 「やめて――」。大声を上げたものの、母親は真顔で自分に切りつけてきた。

 「本当に死を覚悟しました」と振り返る。

 なんとか母親を振り切って、タクシーで所属レコード会社に逃げ込んだ。そこに、今度は父親から電話がかかってきた。

 「そちらの所属アーティスト、EPOの父親だが、娘から自分の妻が暴行を受け、けがをした。警察に連絡すると本人に伝えてくれ」

 加害者が被害者から暴行されたと、正反対のウソをつく――。しかも、母親と娘の間柄で。

 「それを聞いた瞬間、自分自身が壊れました。過呼吸になり、意識を失っちゃったんです」

 救急車で運ばれ、そのまま病院のベッドで眠り続けた。急性ストレス障害だった。

  シンガー・ソングライター EPOさん(58)

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