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「腰が悲鳴」「よく風邪をもらう」…孫育てのグチこぼすサイト、阪大招聘教授が開設

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「腰が悲鳴」「よく風邪をもらう」…孫育てのグチこぼすサイト、阪大招聘教授が開設

 「あちこち走り回る孫に付いていくのがつらい」「孫からよく風邪をもらう」――。孫の世話をする祖父母がグチをこぼすサイト「 孫育まごいく のグチ帳」を、大阪大 招聘しょうへい 教授で医師の石蔵文信さん(63)が作った。共働き世帯の増加などで祖父母が育児にかかわる「孫育て」が注目を集める一方、「孫疲れ」という言葉も生まれている。当事者でもある石蔵さんは「不満をはき出し、悩みを相談しながら、一緒に楽しもう」と呼びかける。

 

「ストレス発散し前向きに」

 

 グチ帳は、男性更年期などの治療に携わる石蔵さんが、患者から度々孫育てのグチを聞く中で思いついた。「井戸端会議のようにグチを言い合える場所になれば」と7月にサイトを開設。孫育てに役立つ情報や孫の自慢話なども投稿できる。

 「『私、こんなに頑張ってるの』って誰かに聞いてほしいんです」

 1歳の男の子を育てる次女(26)から度々“SOS”の連絡を受けるという大阪府河内長野市の会社員女性(56)は、グチ帳を利用する理由をこう話す。

 「車で小一時間走って、お土産まで持って行く」「予定を早めに言っておかないと、聞いてない!!と逆ギレされる」と投稿。「孫も重くなり、腰が悲鳴を上げそう」という別の人の投稿には「私も抱き上げる時が特に つら い」とコメントする。周りにまだ孫のいる友人が少なく、グチ帳は孫の話ができる貴重な場という。

          ◇

 2018年版の「男女共同参画白書」によると、共働き世帯は年々増え、17年には1188万世帯と、専業主婦のいる世帯の2倍近くに上る。これに加えて、産後うつや虐待が社会問題化する中、育児の支援者として祖父母への期待は大きい。第一生命経済研究所が14年に孫のいる男女に聞いた調査では、孫の母親から頼まれて孫の面倒をみた経験がある人は66%で、同居や30分未満の距離に住む場合に限れば8割を超えた。

 一方、孫の世話は体力的な負担に加え、時間的な負担、子や孫との食事代などの経済的負担ものしかかる。宿泊予約サービスを提供する「ゆこゆこ」の16年の調査では、孫の面倒をみることがある人の4割が「孫の親に不満を持ったことがある」とし、「感謝の気持ちが感じられない」「遠慮がなさすぎる」などが理由に挙がった。

          ◇

 石蔵さん自身、3人の孫を世話するため、昨年春、教授を務めていた大学を退職。孫育てに影響しない範囲で診察や講演活動などをこなす。

 孫から風邪をうつされるなど苦労は絶えないが、「孫を抱っこしていれば筋トレ要らず。疲れるからこそ、ごはんもおいしいし、夜もよく眠れる」と笑う。「うまくストレスを発散し、前向きにとらえてほしい」と話す。

 

自治体「祖父母手帳」で助言

 

 孫育て支援のため、祖父母向けに育児情報をまとめたガイドブック「祖父母手帳」などを作る自治体もある。今と昔の育児の違いなどを紹介するほか、「孫疲れ」に配慮した内容もある。

 広島県が作るガイドブックでは子育て世代、祖父母世代それぞれの「うれしかったこと」「イヤだったこと」を紹介。祖父母世代の嫌なことでは「一緒に出かけるときに必ずスポンサーにされる」などがあった。担当者は「祖父母世代は我慢強く、嫌と言えないことも多い。どちらかが我慢するのでなく、双方が歩み寄ることが大事」と話す。

 公益財団法人「いしかわ結婚・子育て支援財団」(石川県)のガイドブックでは「自分の生活も大事にする」など、負担を背負いすぎないよう勧める。香川県三豊市の冊子は体力面や経済面の助言を盛り込んだ。負担がかかる足腰を鍛える筋トレの方法も紹介する。

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