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iPSで脊髄損傷を改善…慶大、マヒして40日超のマウスで実験成功

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 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、脊髄を損傷してから時間がたった慢性期のマウスを治療する実験に成功したと、岡野栄之・慶応大教授(生理学)らの研究チームが30日、発表した。論文が米科学誌「ステム・セル・リポーツ」に掲載された。損傷部位の周辺に細胞を移植すると、リハビリをしなくても運動機能が一部改善したという。

 発表によると、チームはiPS細胞から作った神経の元になる細胞を、がん化を抑える特殊な薬剤で処理。脊髄の損傷後40日以上が経過し、後脚がマヒしたままとなったマウスに、この細胞を移植した。その結果、神経の再生が強く促され、約2か月後には、マウスは後脚で体重を支えられるまで回復した。

 脊髄損傷は、交通事故などで太い神経が傷つき、手足が動かせなくなる。

 チームはけがから2~4週間の患者を対象に、iPS細胞で治療する臨床研究を年内にも国に申請する予定。一方、国内に15万人以上いるとされる慢性期の患者については、損傷部位の周囲にかさぶた状の組織ができるなどの理由で、治療法の開発が困難だった。岡野教授は「慢性期の患者への治療法も視野に入ってきた」と話す。

 大阪大学の山下俊英教授(神経科学)の話「マウスの実験で慢性期の機能回復を促せる手法が開発できたというのは画期的だ」

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