伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」
もっと知りたい認知症
しっとり松風焼き
こんにちは。在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。
紅白かまぼこ、田作り、昆布巻き…。おせち料理の中には、かむ力が低下した方には食べにくい食材が多く含まれていることをご存じですか? かまぼこの弾力、田作りの硬さ、昆布巻きのかんぴょう…。私たちにとっては何でもない硬さも、高齢の方にとっては食べにくい場合があります。
では、おせち料理の中で食べやすいものというと…。
高齢者施設に勤務していた時に、残食が少なかったもののひとつが「松風焼き」です。
今回は、そのレシピを紹介したいと思います。
しっとり滑らかにするポイントは、豆腐を水切りせずに、その水分でしっかりパン粉をふやかすこと、生地全体をフードプロセッサーにかけることです。フードプロセッサーがない場合は、手で豆腐の粒がなくなるまでよくこねることで滑らかになります。
松風焼きの名前の由来は諸説ありますが、能の「松風」という演目に由来するといわれています。また、松風焼きの表面には、ゴマや青のりで飾りがあるけれど、裏は何もないことから「1年間、隠し事なく正直な生き方ができるように」という意味が込められているようです。
[作り方]
(1) 豆腐は水切りせずにボウルなどに入れ、手でほぐし、パン粉を加えて水分を吸わせる。
(2) (1)、タマネギ、ひき肉、卵をフードプロセッサーに入れてよく混ぜる
(3) (A)の調味料も加えて、さらにフードプロセッサーでよく混ぜる
(4) (3)の生地を取り出して大きな陶器の皿かシリコン加熱容器に入れ、2~3cmの厚さに延ばす。ふんわりとラップ又は蓋をして、電子レンジ(500W)で約7~8分加熱する。そのまま5分程度おき、余熱で火を通す。
(5) 形よく切り分け、上にすりゴマ、青のりをまぶして出来上がり。
※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。
(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)
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