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爪のトラブル(5)黒く変色 がんの場合も

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爪のトラブル(5)黒く変色 がんの場合も

「植皮した部分を刺激しないように、以前より少し大きめの靴を履いています」と話す女性

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メラノーマと診断された女性の爪(西沢さん提供)

 「いつもの血豆かな」

 埼玉県所沢市の女性(53)は昨年春、右足の親指の変化に気づいた。爪の半分がどす黒く変色している。20歳代から時折、同じところに爪が食い込んだ。放っておくと治り、しばらくしてまた内出血が起きる。このときもそうだと思った。

 「変色の広がり方がいつもと違う」。心配した家族に促され、最寄りの皮膚科医院で診てもらったのは、この年7月。医師は「万一、悪性だといけないので」と、詳しい検査を勧めた。市内にある防衛医科大学校病院で調べると、2か月後に悪性黒色腫(メラノーマ)とわかった。

 メラノーマは、皮膚のメラニン色素やホクロをつくる細胞が、がん化したもの。国内の患者は10万人に1~2人と、まれな病気だ。部位や形により4種類あるが、足の裏や手のひら、手足の爪などに発生する「末端 黒子こくし 型」は日本人に多い。

 治療は、手術で切除するのが基本。腫瘍の厚さやリンパ節転移があるかどうかで、免疫治療薬や抗がん剤などの併用も検討する。

 爪にできた場合、早期なら、周辺の皮膚ごと切除して、皮膚を移植する治療が行われる。しかし、骨の表面を覆う骨膜まで進んでいると、指の切断も避けられない。

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