街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
聴覚に障害のある人に何かを伝えたい…手話ができなくてもコミュニケーションはできます!
ヨミドクターをご覧のみなさま。サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は聴覚に障害のある方とのコミュニケーション方法です。
手話を使っている人は2割
ニュースやドラマなどで手話を見ることがあります。聴覚に障害がある方とのコミュニケーションといえば、真っ先に手話を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際、手話は有効な方法ですが、厚生労働省の資料によると、聴覚に障害のある方のコミュニケーション手段のうち、手話・手話通訳は18.9%でした。つまり、手話以外でコミュニケーションをとる人のほうが多いのです。
また、聞こえ方も人それぞれで、「音が極端に小さくしか聞こえない方」「会話は音として耳に入るが、意味のある言葉として聞こえない方」「全く音が聞こえない方」がいます。生まれつき障害のある方もいれば、成長の過程で病気や事故により聞こえに障害が生じた方もいます。その人の聞こえ方や経験によって、補聴器を使用できるか否かも異なりますし、主となるコミュニケーション手段も違うのです。
唇や舌の動き、顔の表情から読み取る口話

手話やジェスチャーなどを組み合わせて、コミュニケーションをとりましょう
手話以外のコミュニケーション手段には、まず口話(読話)があります。 口話は、話し手の唇や舌の動き、顔の表情から話の内容を読み取る方法です。話し手の注意点は以下です。
・はっきり口を動かし、自然に発声する
・早口や、ゆっくり過ぎる話し方をしない
・一音ずつ区切らず、文節で軽く区切る
次に筆談があります。筆談は、紙などに文字を書いてコミュニケーションをとる方法です。筆談で大切なのは以下のことです。
・必要な情報だけを簡潔に書く
・横書きで読みやすい大きさで書く
・口話ができる場合も、間違って伝わってはいけないことは筆談を用いる
また、直接のコミュニケーション方法ではありませんが、理解しておきたいのが、補聴器についてです。補聴器は、外からの音声を大きくして、聞き取れるよう補助する器具です。ただし、聞きたい音だけではなく、周囲の音まで大きくしてしまうことがあります。補聴器を使用することで、誰もが同じように聞こえるわけではないことを理解しましょう。
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