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足のトラブル 専門診療…福岡の医院「健康の要 知らせたい」

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 足のむくみや冷えなどの異変は、様々な病気が原因となって起こることが多い。福岡市では、足を巡る様々なトラブルを専門に診るクリニックが開院した。糖尿病専門医をはじめ、義肢装具士や靴店主らと連携し、ケアに当たっている。(高梨忍)

義肢装具士や靴店主と連携

 

足のトラブル 専門診療…福岡の医院「健康の要 知らせたい」

(上)患者を診察する竹内さん。履いてきた靴の状態を確かめ、歩き方も手ほどきする

 冷たい風に冬の気配を感じる今月上旬。福岡市中央区の「六本松 足と心臓血管クリニック」には、朝から患者が次々と訪れた。

 「今日は24人の予約が入っています」と院長で循環器などの専門医、竹内一馬さん(46)。診察室には背もたれと足置きのあるフットケア専用いすが二つある。竹内さんは患者の足を丹念に観察し、巻き爪のケアをしたり、薬を塗ったりしていった。

 クリニックには9月の開院以来、中高年を中心に遠方からも患者がやって来る。義肢装具士の国家資格を持つスタッフもおり、足の状態に合わせた靴の中敷きをオーダーメイドで作ることができる。靴店などで購入するのと違い、処方箋により作製するため、保険が適用されるのが利点だ。

 「足にトラブルを抱える人にとって、歩きやすくする工夫は健康を保つためにも大切なことです。足を総合的に診る医師の少ない日本の現状を変えるために開院しました」と竹内さんは語る。靴文化の先進地である欧米には足の専門医の資格制度があるが、日本では資格化されていないそうだ。

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義肢装具士(左)は、患者に合った中敷きを作るために透明な仮靴を履いてもらってチェックする

 足は心臓から送り出される血液を戻すポンプの役目を持ち、「第二の心臓」とも呼ばれる。竹内さんは心臓血管外科医として福岡大学病院などに勤務。動脈硬化や血流障害の患者の治療に当たるなかで、足の血管の傷みが、むくみや変色、爪や指の変形などにつながりやすいことに気付いた。

 「足元の健康が大切」と2011年4月、当時勤務していた福岡市内の病院にフットケア外来を開いた。同年6月には、仲間の糖尿病専門医や靴店主らとNPO法人「足もと健康サポートねっと」を設立し、勉強会や市民向けのセミナーを開催。さらにきめ細かい治療をするため開業を決意した。日本下肢救済・足病学会によると、足専門の医療機関は東京の「下北沢病院」や「足のクリニック 表参道」など数えるほどしかないという。

 これまでの活動が知られてきて、福岡県内の医師が患者の足の異変に気付いて竹内さんに紹介するケースも増えた。「サポートねっと」の相談会で、メンバーの看護師らが参加者の足をみて異変に気づき、早期治療につながった例もある。竹内さんは「足は建物の基礎と同じく、全身の健康維持の要となる大事な部分であることを、多くの人に知らせたい」と意気込む。

冷えやむくみ要注意

 

 足を巡る症状は多岐にわたる。寒さが増すこれからの季節、足が冷える人は要注意だ。血行が悪くなり、「 閉塞へいそく 性動脈硬化症」で痛みが出る場合がある。放っておくと歩きづらくなり、潰瘍ができることもある。

 動脈硬化や糖尿病といった生活習慣病を抱える人は、一層注意したい。血流障害が進んで足に酸素や栄養が行き届かず、小さな傷が治らずに潰瘍化したり、神経障害によって感覚が鈍くなり、傷に気づかなかったりすることがある。

 むくみが続く場合は、静脈にこぶができる「下肢静脈 りゅう 」や、リンパ液の流れが滞ってたまる「リンパ浮腫」のサインかもしれない。

 異変が生じて足を動かさずにいると、筋力や骨密度が低下し、転倒や骨折をしやすくなる。「早く異変に気づき、かかりつけ医などに相談することが大切です」と竹内さんは勧める。

 

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