書籍紹介
もっと知りたい認知症
『QOLって何だろう』 小林亜津子著
QOL(生活の質)という言葉は、医療記事でよく見かける。現代医療の課題である高齢者のフレイル(加齢に伴う虚弱)、認知症、地域包括ケア、 看 取りといったテーマを6章に分け、QOLの問題を考えさせる。
著者は生命倫理学の専門家で、テレビの医療ドラマの場面など具体例を挙げており、説明は分かりやすい。治療の選択肢が限られていた時代ではQOLを考える余地すらなかっただけに、現代人はとても「幸運」だという。
人生100年時代、長生きするだけでなく、自分にとっての幸福度や満足度を意味するQOLを考えることを勧めている。
(筑摩書房 780円税別)
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