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コラム

[佐々木常夫さん]職場で家庭の悩み共有

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[佐々木常夫さん]職場で家庭の悩み共有

撮影・岩佐譲

 最近は「働き方改革」をテーマに執筆したり、講演を頼まれたりする機会が多いです。効率よく仕事をして、家族との時間を大切にするということは、私にとっては、東レに勤めていた40年前から当たり前のことでした。

 長男が自閉症を持って生まれ、妻が肝臓の病気やうつ病を患ったことが大きく、妻は40回以上の入退院を繰り返し、自殺未遂を3回しました。「死にたい」と会社に電話がかかってきたこともありました。

 3人の子どもが幼かった頃は、午前5時に起きて弁当を作り、同僚よりも早い午前8時に出社。昼間は猛烈に働いて、午後6時には退社していました。帰宅して家族で夕食を食べてから、仕事をしていましたね。

 いかに無駄を省くかを常に考えていたので、だらだらと会社にいる人に比べると、ずっと仕事が速くなりました。子育てや介護をしながら働いている人も同じだと思います。幸い、退職して私の時間に余裕ができてからは、妻の状態も良くなっていきました。

 「職場に家庭のことを持ち込むな」と言う人がいますが、そうは思いません。私自身、妻や長男のことを会社でオープンに話して理解してもらったことで、苦しい時期も乗り切れました。逆に仕事がなければ、私が参っていたとも思います。

 私が家庭のことを話すと、部下たちも少しずつ家庭の悩みを打ち明けてくれるようになりました。人は優しいものです。自分の弱さを見せることには勇気がいりますが、誰にでも弱い部分はあります。弱さを共有し、意思を持って楽観的に生きようとすることが大切なのではないでしょうか。

 9月に引っ越しをして、妻と長男に、娘夫婦と娘婿の両親も加わり、3世帯での生活が始まりました。知人にも部屋を貸していて、計10人が暮らすシェアハウスのようです。犬も3匹いるので、散歩だけでも忙しいくらいですね。

  ◇ささき・つねお  1944年生まれ。秋田県出身。元東レ経営研究所社長。2010年に社長を退任してからは、仕事や家族を巡る著作を多数執筆している。

 (粂文野)

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