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パーマ・白髪も寄付OK…子ども用医療ウィッグ、サロン3400店が協力

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パーマ・白髪も寄付OK…子ども用医療ウィッグ、サロン3400店が協力

切った髪を前に、ヘアドネーションへの思いを語る菖蒲さん(右)(10月、大阪市中央区で)=川崎公太撮影

 カットした髪で医療用ウィッグ(かつら)を作り、がんなどで髪に悩みを抱える子どもらに贈る「ヘアドネーション」。大阪市のNPO法人が活動を始めてから10年目を迎え、取り組みは全国に知られるようになった。「自分の髪を使ってほしい」と思う人も増えている。髪を寄付する際、何に気をつければいいのだろう。(児玉圭太)

無料で発送も

 大阪府河内長野市の看護専門学校生 菖蒲しょうぶ 瞳さん(29)は10月、大阪市中央区の美容室「リリィー」で、2年ほどかけて腰のあたりまで伸ばした髪を約50センチ切った。

 弟が事故で大けがしたことをきっかけに幼稚園教諭を辞め、看護師を目指して勉強する中でヘアドネーションを知った。「看護師として人の役に立てるのはまだ先だけど、今の自分にできることをしたい」と、2009年9月に設立されたNPO法人「ジャパンヘアドネーションアンドチャリティー」(略称ジャーダック、大阪市)に自分の髪を寄付することにしたという。

 ジャーダックの代表理事、渡辺貴一さん(47)が、子ども用ウィッグは種類が少なく、オーダーメイド品は数十万円と高価なことから、米国で行われていたヘアドネーションに着目。一人ひとりのサイズやヘアスタイルの希望に合ったウィッグを18歳以下の子304人に無料で贈ってきた。

 カットに協力してくれる「賛同サロン」も募っており、リリィーも全国3400店以上ある登録店の一つ。菖蒲さんは美容師の大房佑さん(33)に髪をゴムで束ねて長さを測ってもらった後、「最初はご自身でどうぞ」と促されて自分ではさみを入れた。切った髪は持ち帰ってジャーダックへ送るのが基本だが、リリィーのように無料で発送を代行してくれる店もある。菖蒲さんは「喜んでくれる子どもがいると思うとうれしい」と笑顔を見せた。

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 ジャーダックで受け付ける髪は長さ31センチ以上。製作の際に特殊なトリートメント処理を行うので、極端な傷みがなければカラーやパーマをしていても問題ない。くせ毛や白髪も大丈夫だ。長い髪に憧れる女の子が多く、50センチ以上の髪は貴重という。

 カットは行きつけの理・美容室に頼んでも、自分でやっても構わない。賛同サロンはスタッフが適切な手順を熟知しており、スムーズに進むのが利点だ。渡辺さんは「記念に保存していた昔の髪を送ってくれる方もいます」と話す。

グッズ販売も

 同様の活動を行う団体はほかにもある。

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「つな髪」プロジェクトで製作しているインナーキャップウィッグ(グローウィング提供)

 東日本大震災の被災地で子ども向け支援を行うNPO法人「HERO」(仙台市)は、16年から取り組みを始めた。メンバーの一人が病気の治療で髪が抜ける経験をしたのがきっかけ。31センチ以上の髪を受け付けている。

 医療用ウィッグメーカー「グローウィング」(大阪市)が同年から行うプロジェクト「つな髪」では、15センチから寄付を受け付ける。綿製のインナーキャップに髪を縫いつけたウィッグも作っており、担当者は「上から自分の好きな帽子をかぶる必要があるが、安定感があり、子どもに慣れてもらうのにお勧め」という。

 髪を贈る以外でも、寄付をはじめ、活動を後押しする方法はある。ジャーダックでは、1人分で約15万円かかる製作費を寄付などで賄うが、不足ぎみという。HEROは、マグカップやストラップなどのグッズ販売も行い、製作費確保に努める。「周囲の人にヘアドネーションのことを話すだけでも、支援を広げる助けになります」と渡辺さん。

 一方、SNS上では、団体を装ってカットした髪を送るよう促す詐欺まがいの行為も散見されるという。渡辺さんは「せっかくの髪を無駄にしないよう注意してほしい」と呼びかけている。

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