医療ルネサンス甲府フォーラム「睡眠と健康」
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[医療ルネサンス甲府フォーラム「睡眠と健康」](中)「無呼吸」重病の原因に
甲府市立甲府病院睡眠時無呼吸センター長・菱山千祐さん
睡眠の中で睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、注意しなければいけない病気です。1時間に10秒以上の無呼吸が5回以上ある場合に疑われます。
患者は全国で300万~400万人と推測されていますが、90%の人が医療機関を受診していないと言われています。
熟睡感がなく、昼間に眠気などが出てきて作業効率が落ち、交通事故や労働災害などの原因になる恐れがあります。長期間放っておくと、不整脈や脳出血などを起こす危険性もあります。主な症状は無呼吸やいびきですが、夜間の頻尿や起床時の頭痛も症状の一つと言われています。
多くは、肥満によって喉の周囲に脂肪がつくことが原因と言われています。あごが小さいことで気道が狭くなって発症する場合があります。SASの約3割は太っていることではなく、これが原因ではないかと言われています。
軽症だと生活習慣の改善で良くなることがあります。重症の場合はこれに加え、睡眠時に顔にマスクを着用して空気を送る「CPAP(シーパップ)」による治療が必要です。
しっかりと診断と治療をすることが大切です。
◇ひしやま・せんすけ 甲府市生まれ。山梨医科大学(現山梨大学)卒。同大助教や甲府市立甲府病院呼吸器内科医長を経て、現在は同科長。2016年から睡眠時無呼吸センター長を兼任。
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