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依存症と家族(下)患者支えた人にも支援

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依存症と家族(下)患者支えた人にも支援

家族集会の参加者の話に耳を傾ける脇山さん(奥)

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 依存症の患者が治療を受けるようになると、周囲の人も少し安心できる。しかし、それまでに受けた心の傷は、すぐに癒えるわけではない。自分自身も、周りの人の支えを受けて、気持ちの整理をしよう。

 「家族のことを大事に思っていないんじゃないかと、今でも不安になります」

 福岡市博多区の施設「ジャパンマック福岡」で10月下旬に開かれた依存症家族の集会。夫がゲーム依存症の20歳代女性は目を潤ませながら打ち明けた。女性は今夏に出産したばかり。妊婦検診の際に夫が喜ぶ様子を見せず、不審に思っていたところ、スマートフォン用ゲームに課金し続けて貯金がほとんどないことが発覚した。出産と準備品の費用は自分で工面した。夫は現在、自助グループに通っているが、女性は夫への不信感をぬぐい去ることができずにいる。

 約20人の参加者は、女性の話に静かに耳を傾けていた。集会は匿名で参加でき、一人一人が思いを語る。女性は初参加で、休憩時間に周りから声をかけられ、帰り際には少し表情が和らいでいた。

 

 集会を運営する同施設スタッフの脇山伸一さん(47)は元患者だ。ギャンブル依存で勤め先とトラブルを起こして失職。妻は家族会に通って病気への理解を深め、支援施設を探してくれた。施設を出た後も妻に励まされて自助グループに通い、2016年から同施設で働いている。

 「私は妻に助けられ、気持ちを強く持つことができた。一方で、患者の家族は頑張っていても、周囲から『あんたがしっかりしないから』などと理解されず、傷つくことが多い。孤立しがちな家族を支えるための集会です」と脇山さんは説明する。

 集会では、同施設が導入している家族のためのプログラム「CRAFT」の受講を参加者に勧めている。つらいときに、家族向けの自助グループや支援してくれる人に頼ることが必要だと伝えているという。

 脇山さんは「自分自身を大切にすることが、家庭内に蓄積されたわだかまりを解消し、依存症の再発を防止することにもつながります」と話す。

 

 このシリーズは島田愛美が担当しました。

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