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医療・健康・介護のコラム

『がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差』 埴岡健一・福島安紀著

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『がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差』 埴岡健一・福島安紀著

 現代人の三大疾病と言われて久しい「がん」「脳卒中」「心臓病」。これらによる死亡率は、住んでいる地域によって大きく異なる。本書は、3度にわたって月刊「中央公論」に掲載された死亡統計の地域格差特集をもとに、ルポと分析を加え、日本の医療の現実を明らかにする。

 比較するのは全国に344ある「二次医療圏」。高度な医療を提供することを含めた医療サービスを地域で完結させることが求められる単位だ。この二次医療圏別に見た死亡率(標準化死亡比・全国値100)を算出し、疾患別のワーストランキングを掲載した。例えば、がん全般の死亡率が高いのは、男性が青森県津軽地域の123.4、女性が北海道釧路の119.3。最も低かった地域とは、それぞれ45.8ポイント、43.0ポイントの差があった。同じ東京でも、区西部(新宿、中野、杉並区)は男女とも低かったのに対し、区東部(墨田、江東、江戸川区)は男性がワースト18位、女性が同17位と死亡率が高く、格差が見られた。

 各疾患とも、地域によって死亡率に大きな差が表れた衝撃的なデータについて、著者の一人、埴岡健一・国際医療福祉大教授は、「差が縮小すれば、助かるべき命が失われずに済む」とし、二次医療圏別の死亡データから得られる知見を、各地域の医療計画に生かしていく必要性を主張する。(中央公論新社 税別1200円)

       ◇

 『がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差』を5人にプレゼントします。

 応募の締め切りは12月6日(木)正午です。応募者多数の場合は抽選を行います。当選者の発表は本の発送をもって代えさせていただきます(ご登録の住所にお送りします)。

 応募は終了しました。

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