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25歳で希少がん…つらい治療もとことん前向きに がんノート代表理事・岸田徹さん(上)

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 がんになっても安心して暮らせる社会について考える「がん医療フォーラム2018 がんを知り、がんと共に生きる社会へ」(公益財団法人正力厚生会主催、読売新聞社など後援)が12月2日午後1時から、東京都千代田区の一橋講堂で開かれます。国民の2人に1人ががんになる時代に、患者がよりよい人生を歩むには何が必要なのでしょうか。フォーラムでは患者の立場で議論に加わる岸田徹・NPO法人がんノート代表理事に聞きました。(インタビュー・飯田祐子、写真・山本淳一)

病名分からず、医療機関を転々…まさかの「全身にがん」

――岸田さんは、胎児性がんになったそうですね。私は初めて聞く病名です。

25歳で希少がん…「なんとかなる」つらい治療もとことん前向きに がんノート代表理事・岸田徹さんインタビュー(上)

 確かに、非常に珍しいがんです。精子や卵子の元になる細胞ががんになる胚細胞腫瘍に含まれるのですが、その胚細胞腫瘍になる確率が10万人に1人で、そのうちの約5%が、胎児性がんと言われています。

 東京のIT企業に就職して2年目の春、首にスーパーボールくらいの腫れができました。体の調子もよくなかったので、会社近くのクリニックに行きました。インフルエンザではないかといわれて検査を受けたのですが、結果は陰性でした。

 その後、勤め先の健康診断でも「異常なし」だったのでバリバリ働いていたのですが、秋口になるとまた体調が悪くなりました。尋常じゃない量の寝汗をかいたりしていたので、「やっぱりおかしい」と、再びクリニックを訪れました。自宅近くの大学病院を紹介され、受診しました。そこで「リンパ腫の疑いがある」と言われ、血液内科がある同じ大学の別の病院へ。そこでいろいろ検査を受けた結果、胎児性がんの疑いが強いことが分かり、今度は国立がん研究センター中央病院を紹介され、診断が確定して治療がスタートしました。この時、25歳でした。

――いくつもの医療機関を転々としたのですね。

 AYA世代のがん患者の間では、よくあることなんです。患者が若いと医師もなかなかがんを疑わないし、本人も周囲もまさかがんとは思わない。その結果、がんを見つけて治療が始まるまでに時間がかかってしまうんです。

 僕の場合、原発部位(最初にがんが発生した臓器)は不明だったのですが、診断された時点で、既に首と胸とおなかのリンパ節に転移していました。医師から「全身にがん」と説明された時は、ショックでしたね。30分くらいは落ち込んでいました。

 <AYA> Adolescent and Young Adultの略。思春期と若年成人を指す。国立がん研究センターの推計では、15~39歳でがんと診断される人が、1年間におよそ2万1400人いる。

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