群発頭痛の治療法は
長く頭痛に悩んでいた42歳の弟が1年ほど前に、群発頭痛と診断されました。頭痛が起きている時は、車の運転ができないほどで、とても心配です。発症の原因や治療法について教えてください。(44歳女性)
注射キットで高い即効性
坂井文彦 埼玉精神神経センター埼玉国際頭痛センター長(さいたま市)
頭痛には、脳卒中などの病気に伴って起きるものと、原因となる病気がはっきりしない慢性頭痛があります。弟さんが診断された群発頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛と合わせて三大慢性頭痛と呼ばれています。
群発頭痛は20~40歳代の男性に多くみられます。1~2か月、頭痛が毎日のように起こるのが特徴です。この期間を群発期といい、一時期治まっても、頭痛は周期的に起こります。
1回の頭痛は1~2時間と短いですが、片頭痛や緊張型頭痛と比べると、とりわけ痛みが強いです。片側の目の奥がえぐられるような激しい痛みに加え、目の充血、涙、鼻水、額の発汗などの症状もあります。痛みからじっとしていられずに頭を壁に打ち付けて我慢する人もいるほどです。
群発頭痛は、脳内の動脈の血管拡張や副交感神経の興奮が原因とされます。
治療には症状を緩和させる効果が高いトリプタン系の薬が有効です。内服薬や点鼻薬も効きますが、注射キットを携帯し、発作時に自分で注射する方法は即効性が高く、保険適用もされています。マスクから酸素を吸入する在宅酸素療法も症状を改善できます。
予防には、カルシウム 拮抗 薬などが効果的です。アルコールは頭痛を誘発するので、群発期の間は禁酒しましょう。
日本頭痛学会のホームページに、専門医のいる医療機関が掲載されています。