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カフェイン 過剰摂取注意

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疲れは睡眠で解消

 

 コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、眠気覚ましや疲労感の軽減に効果的とされる。ただし、子どもが摂取すると悪影響を受けるおそれもあり、注意が必要だ。

カフェイン 過剰摂取注意

 「子どもは大人よりカフェインに対する感受性が高く、吸収したカフェインを体内で分解するのにも時間がかかります。大人と同量のカフェインを子どもが摂取してしまっていることも少なくありません」。東京医療保健大の神田裕子准教授はこう指摘する。

 カフェインによって作業効率が上がったとする研究がある一方、過剰に摂取すると、中枢神経系が刺激されて、めまいや心拍数の増加、震え、不眠症などの健康被害をもたらすこともある。「受験シーズンが迫るこの時期、眠気覚ましにコーヒーなどを飲もうとする子どもも増えるでしょう。保護者はお子さんが飲む物に気を配ってください」と神田准教授。

 予防医療コンサルタントの細川モモさんは「冷蔵庫にどんな飲み物を常備しているか、どれくらいの量を飲むかなどを、保護者と子どもが把握しておくことでカフェインの過剰摂取や悪影響を防げます。家族全員で『カフェイン・マネジメント』の意識を持ちましょう」と呼びかける。

 

 アサヒ飲料が今年6月に実施した調査によると、母親が3歳から5歳までの子どもの夏場の水分補給で、取らせすぎを気をつけているものは、1位がカフェイン、2位が糖分、3位が添加物だった。母親がカフェインについてとくに注意を払っていることがうかがえる。

 また、同社が今年3月に行った調査では、実際に子どもに飲ませているカフェインを含む飲料は、1位が緑茶で35%、2位がほうじ茶で30%、3位がココアで26%だった。ほうじ茶はカフェインが少ない印象もあるが、100ミリ・リットル中のカフェイン量は20ミリ・グラムで緑茶と同じ。細川さんは「緑茶は身近なお茶なので、注意する意識が低いようです。ほうじ茶は妊婦の貧血対策で、鉄分吸収を妨げないお茶として産院ですすめられているケースがあり、出産後もほうじ茶を飲むことが習慣化し、子どもにも飲ませていることが背景にあるのでは」と話す。

 「カフェインの科学」の著者で医学博士の栗原久さんによると、子ども時代の生活スタイルは、成人しても受け継がれやすい。カフェインで大脳が興奮して気分や体調が変化したという記憶は、大人になった時に大脳に作用する薬物(向精神薬)への依存を強める可能性がある。1日に摂取するカフェイン量が、体重1キロ・グラム当たり5ミリ・グラム以下であれば、不眠を除いて心身への副作用はほとんど現れないが、小さな子どもは極力、カフェイン摂取を避けたほうがよいという。「子どもにはカフェインによる作業効率の向上などは不要。疲れは睡眠で解消すべきです」と栗原さんは強調する。

 これから風邪やインフルエンザが流行する時期を迎える。「子どもの心と体を守る『冷えとり』養生」を著した「芝大門いまづクリニック」(東京)の今津嘉宏院長は、風邪やインフルエンザの予防には良質な睡眠で免疫力を高めることが大切と指摘。「子どもが床に就く10分ほど前に 白湯さゆ やカフェインを含まないブレンド茶を与え、体を温めてから寝付かせるのが効果的」とすすめている。

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