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その医療 ホントに要りますか?

コラム

歩きながらしりとり、計算…認知症対策には、同時に二つのことをする「デュアルタスク」

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週1回以上の「コグニサイズ」に効果

 デュアルタスクを応用した運動としては、国立長寿医療研究センター(愛知県)が開発した「コグニサイズ」があります。「認知」「認識」を意味する「コグニション」と、「エクササイズ(運動)」を合わせた造語で、身体を動かす体操をしながら、「頭の体操」も行います。

 例えば、その場で行進するように足踏みをしながら、4歩目ごとに手拍子をする、あるいは4歩目ごとに、30から順に3を引いていく引き算をする、といった具合です。同じことの繰り返しでは単調になって効果が薄れるので、いろいろパターンを変えてみることが大事だとされています。具体的な方法は、当サイト「ヨミドクター」でも シリーズで紹介 したことがありますので、参考にしてください。

 同センターによると、約300人を対象にした研究で、コグニサイズを週1回以上続けた人は、実施しなかった人に比べて、約1年後に記憶力や注意力が改善されました。

誰かと一緒が楽しい

 脳トレーニングは、1人より、他の人と一緒に行うと一層楽しくなります。「しりとり」もその一つです。

 朝田医師は、二つ前の言葉を当てる「ツーバックしりとり」を勧めています。「りす」→「すいか」→「かもめ」と来たら、「二つ前の言葉は何だった?」と尋ねます。三つ前の言葉に戻る「スリーバックしりとり」なら、さらに難度が上がってエキサイティングです。

 パソコンを使った脳トレーニングも登場しています。代表的なのは、アメリカで開発された「ブレインHQ」で、注意力や判断力を養うソフトです。例えば、次々に画面に表れる二つの図形を見て、色や形が同じかどうかを瞬時に答えていく、たくさんの鳥の中から1羽だけ違う鳥を選び出す、といった内容です。健常な人がこのトレーニングを続けたところ、10年後に認知症になる割合が半減した、とアメリカの国立衛生研究所などが発表し、注目されました。このソフトは、日本ではネスレが発売し、月額1080円で利用できます。

 朝田医師は、日常生活でのトレーニングが重要であることも強調しています。例えば、洗濯物をたたむ際、多くの衣類の中から靴下のセットを選び出してそろえる、という行為で注意力や判断力が養われます。

 運動や脳トレは、継続することが力になります。ウォーキングなどの運動や、歩きながらの脳トレも、日常生活に取り入れることが大切です。(田中秀一 読売新聞東京本社調査研究本部主任研究員)

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tanaka200

田中秀一 (たなか・ひでかず)

 医療情報部(現医療部)、社会保障部、論説委員、編集局デスクを経て現職。長期連載「医療ルネサンス」を18年担当、現代医療の光と影に目を凝らしてきた。「納得の医療」「格差の是正」をテーマとしている。

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