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「認知症予防」テーマに医師らが講演…懐かしい思い出を語る「回想法」紹介

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 認知症予防をテーマに医師ら専門家が語る「未病改善県民シンポジウム 今からできる認知症への備え」(主催・神奈川県)が10日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた。

楽しい活動 継続が大切

昔のことを思い出すことで脳を活性化させる「回想法」を紹介する吉田院長

 基調講演では、横浜相原病院の吉田勝明院長が、老化による物忘れでは、体験した出来事の一部を忘れることがあるのに対し、認知症は、出来事の記憶が丸ごと消えてしまい、ヒントがあっても思い出せないといった違いを説明。アルツハイマー型認知症や血管性認知症など、主な認知症の特徴を解説し、妄想や 徘徊(はいかい) などの症状にどう対応するかをアドバイスした。

 また、「認知症の人は、やったことは忘れても、うれしい、悲しいなどの感情は残る。『何をやっても忘れてしまうから意味がない』というのではなく、楽しいと感じられる活動を続けることが大切」と強調した。


昔のニュースで会話広がる

 楽しみながら脳を活性化させ、心を穏やかに保つ効果が期待できる療法として、昔の出来事を思い出す「回想法」を挙げ、「体験や経験は、その人の生涯を通じての財産だが、認知症になると、それらをしまった引き出しをなかなか開けられなくなる。それを上手に引き出してあげるのが回想法で、認知症の予防、進行の抑制に役立つ」と話した。

 昔のニュース映像や新聞記事などが収められ、それぞれの時代に関するクイズが楽しめるDVD「よみうり回想サロン」(企画・読売新聞)を紹介し、「『フジヤマのトビウオ』や『ミス日本第1号』など、懐かしいニュースがいろいろある。『あの頃、何してた?』と、思い出話が広がりますよ」と語りかけた。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、歯や口の健康と認知症の関係や、横浜F・マリノスの運営会社による、サッカーやチアリーディングの動きを取り入れた高齢者の認知機能改善プログラムなどが報告された。

DVD「よみうり回想サロン」について詳しくはこちら

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