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レスリング リオ五輪代表 渡利璃穏さん

一病息災

[レスリング リオ五輪代表 渡利璃穏さん]悪性リンパ腫(3)抗がん剤治療経て復帰

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 リオデジャネイロ五輪の翌月、2016年9月に精密検査のために1週間の入院。わきの下に開けた3か所の穴から器具を入れ、胸の腫瘍組織を採取した。目覚めた時、傷のあまりの痛みに「痛い、痛い」と叫んだ一瞬の記憶はあるが、ふっと意識を失った。わきの下や胸の痛みはしばらく続き、薬で抑えた。

[レスリング リオ五輪代表 渡利璃穏さん]悪性リンパ腫(3)抗がん剤治療経て復帰

 退院後は一人暮らしに戻って、10月末から抗がん剤の治療が始まった。2週間に1度、病院での点滴治療だ。

 「治療後の1週間は、全身が痛くて立ちくらみもひどいので横になっていないとつらい。手はパンパンに張って指には小さな水ぶくれ。曲げられないし、熱いものにさわれませんでした」

 身体が楽になると、自転車でスーパーに出かけて、体調が悪い時のために冷凍食品を大量に買い込んだ。「人と会うのはしんどいので、ずっと1人で過ごしていました」。抗がん剤治療は17年3月まで5か月かかった。

 この年6月に乳がんで亡くなった小林麻央さんのブログをよく読んだ。「つらい闘病の姿を公開するなんて勇気がいりますよね。すごいなぁ、私には無理」と思った。

 抗がん剤治療の後、経過を見てから6月中の毎週5日間、放射線治療を受けた。治療が終わると医師から練習復帰のOKが出た。しかし治療が残した身体へのダメージは大きい。「レスリング復帰に気持ちを切り替えるには覚悟が必要でした」

 取りあえず練習場に通い、座って練習を見ていた。

  レスリング リオ五輪代表 渡利 璃穏(りお) さん(27)

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