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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

コラム

「朝早く目覚めて二度寝できない」「夜中に何度もトイレに」…加齢とともに出てくる睡眠への不満 治療が必要なケースとは?

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。年を取るとともに眠りが浅くなったり、早朝に目覚めたりと、不眠で悩む方が増えます。今回は、こうした年齢に伴う睡眠の変化を取り上げます。どの程度心配しなくてはならないものなのでしょうか。

浅い睡眠が増えてくる高齢者

 『若い頃はいつでも、どこでも、朝まで一度も目覚めずにグッスリと眠れたのに、年を取ってからは夜中に何度か目覚めて(中途覚醒)、その都度トイレに立ってしまう』

 『朝早く目覚めて二度寝ができない。朝5時前には目がぱっちりと覚めてしまう(早朝覚醒)。せめて外が明るくなるまで眠っていたいのだが』

 筋力や持久力、心肺能力の低下、白髪や老眼など、心身の機能は年齢とともに徐々に低下します。睡眠も例外ではありません。睡眠の長さや深さに大きな変化が生じます。その程度や時期に個人差はあっても、大部分の人がいずれは経験する避けがたい「老化現象」の一つです。

 早い方だと50代から、多くの方は60代に入ると睡眠の質の低下を自覚するようになります。以下に代表的な特徴を挙げました。

1)深い睡眠が少なくなる
2)睡眠時間が徐々に短くなる
3)早寝早起き型になる

 睡眠時の脳波を測定すると、若い人では睡眠の前半で深い睡眠(徐波睡眠)がまとまって出現します。睡眠後半になるにしたがって浅い睡眠が主体になりますが、基本的に途中で目が覚めることはありません。これに対し、高齢者では睡眠の前後半を通して深い睡眠が大幅に減り、相対的に浅い睡眠が大部分を占めるようになります。睡眠の持続性が低下して、同室者の身じろぎや物音など些細ささいな刺激で目覚めるようになります。

寝続ける力が弱まり…

 このように、睡眠の加齢変化の一番の特徴は、睡眠が浅くなるために「寝続ける力が低下する」ことです。いったん眠りについても数時間もすれば目が覚めてしまい、何となく尿意を感じてトイレに行きたくなります。夜11時頃に寝ついても2時頃に目を覚まし、再び寝ついても4時過ぎにもう一度目を覚ます。後はウツラウツラ……などという人も多いのではないでしょうか。残念ながら、就寝前に排尿しても中途覚醒はあまり改善しないのが普通です。強い尿意があるわけではなく、眠りが浅いために軽い尿意でも目が覚めるからです。

 また、加齢とともに睡眠時間は徐々に短くなり、早寝早起き型になります。リタイア世代では、疲労感などのために、21時過ぎくらいの早い時間帯から横になって眠り込んでしまう方が少なくありません。これも深夜に目が覚める一因です。ただでさえ睡眠時間が短くなっているのに、そのような早い時刻から朝まで、8時間、9時間にわたって眠り続けるのは若い人でも難しいのはお分かりでしょう。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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