16歳 右目が緑内障
黒板の字が見えにくくなり、眼科を受診すると、右目の視野が一部欠けていることがわかり、緑内障と診断されました。親戚の男性が70歳の時に緑内障で失明しています。遺伝の影響はあるでしょうか。(16歳女性)
遺伝性の多くは両目
東範行 国立成育医療研究センター眼科診療部長(東京都世田谷区)
緑内障は、眼球の中を循環する液体「房水」の出口が詰まって、房水を排出できず、目の中の圧力(眼圧)が上昇するなどして視神経を圧迫し、視覚が障害される病気です。
視神経が傷むと視力が低下するより前に、視野の一部が欠けてきます。眼圧が高いこと、視神経が圧迫されていること――などがあれば緑内障と診断します。
遺伝性の緑内障の多くは両目に起きます。発症する時期は家族内の誰もがかなり早いので、成人になってからの緑内障とは異なります。相談内容から、遺伝性である可能性は低いと考えられます。
緑内障の治療には、房水ができるのを抑えたり、排出を良くしたりして眼圧を下げる薬を使います。目薬が多いですが、飲み薬もあります。薬が効かなければ、房水の排出口を治す手術を行います。
注意することは、視野の欠損があるだけで緑内障と診断できるわけではないということです。生まれつき視神経の一部に軽い異常があって気づかない場合や、他の網膜や視神経の病気、脳の病気や精神の疲れが視野の欠損を引き起こすこともあります。
専門医に、視野欠損の原因を調べてもらってください。緑内障なら徐々に視野欠損が進行して視力が落ちる恐れがあります。きちんと治療を受けましょう。