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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

コラム

[最終回]体臭で悩む若者へ 「想像力療法」で新しい自分と出会おう

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「自分はクサイ」と思うのは、やさしいから

[最終回]体臭で悩む若者へ 「想像力療法」で新しい自分と出会おう

 この連載の最後は、体臭で思い悩む若い人々への、私からのささやかなメッセージです。

 今あなたが体のニオイで悩んでいるとしたら、それは自分のニオイが嫌いだからではありません。自分のニオイで他人を不快にして迷惑をかけている、と責任を感じるからです。あなたは一見、自分自身のことを悩んでいるようでいて、本当は他人のため、人を思いやって悩んでいるともいえます。あなたがクサイからではなく、あなたがとてもやさしいからです。

 ここで私からの提案です。その「やさしさ」や「責任感」を、もっと別の大きな世界に向けてはどうでしょうか? もっと社会性のあることにです。私たち医師がよく使う言葉に「HEILEN(ハイレン)」があります。「治る」を意味するドイツ語ですが、元々の意味は「全体にする」というものです。あなたも、自分の心を、ニオイというごく一部の事柄でなく、あなたの全人格に、さらにはあなたという個人にだけではなく、社会全体に向けてみてはどうでしょうか。その結果、人間関係が広がります。

 仮に、離れ小島で独居生活をしていて、自分のニオイが気になりますか? 否です。体臭の悩みは、人間関係の中で生まれたものです。人と人とにかかわる悩みは、決して一人では解消しません。人とのつながりの中で癒やされるのです。将来のある若いみなさんには、学校でも仕事でも仲間づくりでも、こちらから積極的にどんどん人の輪に入って行ってほしいと思います。

推察によって悩む自己臭傾向の人

 このことを一番伝えたいのは、人間関係を避けて閉じこもりがちな自己臭傾向のある若者たちです。今までこの連載では、さまざまな体臭解消法を説明してきましたが、その中でも、「自分はクサイ」と思い込む自己臭傾向の人にぜひ実践してほしい療法があります。それは「想像力療法」というものです。

 自己臭傾向の人が「自分の体臭は強い」と思うのは、せき込みやくしゃみ、窓を開けるなどの他人のしぐさや態度、また「クサイ」という他人の言葉を、自分のニオイのせいだと信じ込むからです。しかし、だれでも風邪を引いたらせき込みます。暑かったら窓も開けます。ニオイの話題も日常的に交わされます。そのような時、「今のせき込みは、私のニオイのせいですか?」「今、クサイ!という言葉が聞こえたのですが、私のことですか?」などと、いちいち確認する人はいないでしょう。他人の心の中は見えません。ほとんどの自己臭傾向の人は、自分の推察と思い込みによって、深く悩んでいるのです。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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