すてきLIFE
医療・健康・介護のコラム
[猪狩ともかさん]車いすで 戸惑いつつ前へ
今年4月、東京都内の路上を歩いていた時、強風で倒れた大きな看板の下敷きになって大けがをしました。脊髄の損傷で両下肢がまひし、車いす生活になりました。入院生活を経て9月末に退院しました。
ホッケー用のマスクがトレードマークのアイドルグループ「仮面女子」のメンバーになったのは、けがをする1年ほど前でした。小学生の頃から「モーニング娘。」さんのファンで憧れの存在でした。秋葉原でのライブで歌って踊れるのがうれしかったです。
だから、車いす生活が長く続くと知った時は、現実だとうまく理解できませんでした。アイドルを続けられるか、不安で眠れない夜もありました。でも、入院中も家族やメンバーは明るく接してくれたので、私も前向きにリハビリに取り組んできました。少し無理はしていたかもしれません。
今は、車いすでの生活に少しずつ慣れようとしているところです。一人でできないことがたくさんあるので、「迷惑をかけて申し訳ない」と感じたり、ストレスを感じたりすることも多いです。街中がバリアだらけだと初めて気づきました。
障害者スポーツのイベントに呼んでいただくなどこれまでとは違ったお仕事を頂くようになりました。少しの戸惑いはありますが、車いすの自分の姿も、前向きに伝えていきたいです。
◇いがり・ともか 1991年生まれ。アイドル。埼玉県出身。秋葉原を中心に活動する地下アイドルのグループ「仮面女子」のメンバー。
(粂文野)
【関連記事】