あんしんQ
医療・健康・介護のニュース・解説
Q 妊娠したら働き方は変えられるの?

A 妊婦の申し出で残業禁止に
Q 働く妊婦を守る法律はどうなっているの?
A 労働基準法などでは、妊婦の求めに応じ、雇用主は「仕事を軽いものにかえなければいけない」「残業、深夜業、休日労働をさせてはいけない」と定められています。
これとは別に「医師から受けた指示を妊婦が守れるよう配慮すること」も義務づけられています。
例えば、医師から「流産の危険があるので勤務時間に配慮してほしい」などと指示された場合、雇用主が対策を取らなければいけないことを意味しています。
いずれも、妊婦からの要請があることが前提です。
Q なぜ、本人からの申し出が必要なの?
A 妊娠中の体調変化には個人差が大きく、不調を全く感じない人もいるからです。妊娠中でも、それまでとほとんど変わらず、残業や夜勤ができる人がいます。
Q どうして、申し出をせず無理をする妊婦がいるの?
A 人手不足で忙しい職場が多い中、対応を求めても、上司から「休憩しながらでいいから」「他の人も頑張っているから」「代わりもいないし、できるところまでやって」などと言われてしまうと、求めを取り下げてしまう人も多いためです。出産後働き続けたいという思いや経済的な理由から言い出せない人も多くいると考えられます。
一方、「妊婦の申し出を退けると、法律違反になる」という意識が企業側に低いことも原因です。請求の際の書類も用意せず、口頭で済ませている会社が少なくありません。
Q 海外では?
A 欧州連合(EU)では本人の申し出に関係なく、妊婦の深夜業を禁止しています。国によっては、残業も申し出にかかわらず禁止です。残業などができないために減った妊婦の給料を補償する仕組みもあります。
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