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COPDとつきあう(2)チームで悪化に備える

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COPDとつきあう(2)チームで悪化に備える

酸素を吸いながら、理学療法士の宇佐美さんに筋肉をほぐしてもらう田島さん(手前)

 「調子どう?」

 訪ねて来た理学療法士の宇佐美 記子のりこ さんに問いかけられると、慢性 閉塞へいそく 性肺疾患(COPD)の田島 寿一じゅいち さん(86)は、待ちかまえたように訴えた。

 「あんまり良くないよ」

 川崎市の集合住宅で独り暮らしをする田島さんを、週2回訪ねる宇佐美さん。「最近、天気が悪いからね」と軽く言葉を交わしながら血圧や脈拍を測り、肩や首、腰のこわばった筋肉をほぐし始めた。

 田島さんは日ごろ、専用のDVDを見ながら体操して呼吸リハビリに励むが、体はすぐ硬くなってしまう。自分だけではどうにもならない筋肉の緊張を解き、肺の動きを助けるのが宇佐美さんの役割だ。

 「ほぐしてもらうと息苦しさがだいぶ楽になるよ」。田島さんが目を細めると、宇佐美さんも「自分できちんと取り組んでいるから、状態はいいですよ」と応じた。

 もともと体力には自信があり、禁煙を勧められても「やめたら人生終わりだよ」と取り合わなかった田島さん。しかし10年ほど前に心筋 梗塞こうそく を患い、きっぱり卒業した。それでも約7年前、歩くときに息苦しさを感じ始めた。病気の妻を3年ほど看病し、みとったばかりの頃だった。せきも出るようになり、COPDと診断されて約2週間入院した。

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