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せん妄の発生率4割減少…国立がん研究センター東病院、入院患者に予防策

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 せん妄が起こりやすい入院患者に細かな予防策やケアを行うことで、発生を4割減らせたとする研究結果を、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)などの研究チームがまとめ、米医学誌に発表した。

 せん妄は認知症の人に合併しやすい意識障害。脱水や貧血、睡眠薬の使用、環境の変化など、体に負担がかかる時に起こりやすい。一般病院の入院患者の2~3割に見られ、身体拘束の原因にもなっている。

 同病院では精神腫瘍科の医師と看護部が共同で、海外の先進研究を基にせん妄の予防プログラムを作成。専門の教育と研修を受けた医療スタッフが、患者ごとにせん妄のリスクや症状をチェックし、薬の処方や体調管理、水分補給などの予防やケアを行った。

 2012~14年に患者約8000人について、せん妄の発生率をプログラムの導入前後で比べたところ、7・1%から4・3%に減少した。入院中に転倒したり、点滴の管を抜いたりした患者の割合も、導入の前と後で3・4%から2・6%に下がった。逆に、退院時に日常生活動作に問題がない人の割合は、93・0%から95・9%に上昇した。

 同病院精神腫瘍科長の小川朝生さんは「せん妄は身体拘束ではなく、発症予防が世界的な潮流だ。国内でも医師と看護師が協働して身体拘束を減らすことで、身体機能の低下を予防できる方法が明らかになってきた」と話している。

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