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手洗い習慣で感染症予防
楽しさ演出 洗い残しなく
インフルエンザなどの感染症が気になる季節だ。予防のためには手洗いが大切だが、子どもにも、年齢に合わせて楽しく手洗いの習慣を身につけさせたい。
■3割以上が10秒未満
国連児童基金(ユニセフ)などは、10月15日を「世界手洗いの日」と定め、手洗いの大切さを呼びかけている。「世界では子どもが亡くなる理由は肺炎や下痢などが多く、予防には手洗いが効果的です。せっけんで正しく手を洗うことは、健康のために子ども自身ができることの一つ」と、日本ユニセフ協会の加藤 朱明子 さんは話す。
同協会が3歳から高校生までの子ども200人(保護者の代理回答含む)に行った調査では、十分洗えている箇所と洗えていない箇所に差があることがわかった。
例えば、手のひらや手の甲は、いずれの年代でもほぼ全員がきちんと洗っていたが、親指の周りを洗っていた子どもは18%、爪は14%しかいなかった。加藤さんは「洗う時間も、正しく洗うには20秒ほど必要とされていますが、3割以上の子どもは10秒未満。10~20秒という子どもと合わせると7割を超えます」と説明する。
■ダンスや歌を使う工夫
そこで、洗い残しがないようにする工夫も広がっている。
同協会は、ダンサーの森山開次さんが振り付けた「世界手洗いダンス」を制作。手を洗うときの動きを取り入れた踊りで、ウェブサイト( https://handwashing.jp/ )で見ることができる。
花王もオリジナル曲「あわあわ手あらいのうた」を作り、ウェブサイト(https://www.kao.co.jp/bioreu/hand/song/)で公開している。「おねがい、おねがい カメさん、カメさん」などの歌詞に合わせ、手のひらを合わせたり、手の甲をこすったり=上のイラスト=することで、洗い残しを防ぐ。
■親が手本を見せて
家庭で子どもに手洗いを促すときは、年齢によって洗面所に踏み台やハンドソープなどを用意しよう。ハンドソープは泡タイプで、子どもでもポンプを押しやすく、倒れにくいものを選びたい。
1歳半ほどになって3分ほど立っていられるようになったら、まずは親が後ろから支えて手を洗う。長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部の中村鈴子特任教授は、「2歳半から3歳くらいになれば、手を洗う理由も理解し、両手を組み合わせるなど手洗いのための動きもスムーズになってきます」と話す。
食事やおやつの前、帰宅時、トイレの後など手を洗うタイミングのほか、洗い終わったら自分用のタオルで手を拭くことも伝えるようにしたい。
中村特任教授は「まずは親が手を洗う手本になりましょう。それを見せて、子どもができたら褒める。楽しく習慣づけられるといいですね」とアドバイスしている。
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