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犬が「癒やし」…認知症カフェ、毎月1回営業

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 人に癒やしを与えるセラピードッグが常駐する栃木県鹿沼市のカフェが、今月から月1日、認知症の高齢者や家族らがお茶を飲みながら会話を楽しむ「認知症カフェ」として営業を始めた。動物との触れ合いによる心の癒やしはアニマルセラピーと呼ばれ、認知症にも効果があるとされる。認知症の知識を学んだスタッフもおり、カフェでは「犬がいることで人と人との心のハードルが下がる。認知症の人も他の人とうち解けて会話が弾むはず」と話している。

 今月2日、同市郊外にある「いぬかふぇ まいら」。80歳代女性がオスのラブラドルレトリバーを膝の上に乗せ、ほほ笑みながら体をなでていた。付き添いの女性は「現在は深刻な症状はないが、予防になればと来た。普段よりも表情が豊かですね」と話した。

 認知症カフェは、自宅に引きこもりがちな認知症の人や介護に悩む家族らが社会参加する場として、NPO法人などが公民館や病院の一室を使うなどして運営するケースが多い。厚生労働省によると、2017年度、全国で5863か所あるが、「認知症カフェ協会」(東京)によると、セラピードッグがいるカフェは珍しいという。

 まいらは、とちぎアニマルセラピー協会が運営。同協会はラブラドルレトリバーやトイプードルなどの犬を訓練し、病院や高齢者施設の入院患者や入所者らに触れ合ってもらう活動を展開。多くの人にセラピードッグに触れてもらおうと、4年前、まいらを開いた。

 認知症カフェを始めたのは、同協会の平沢剛理事長(57)の体験からだ。以前、高齢者施設を訪れた際、普段ほとんど話をしない認知症の人が犬と触れ合うと、「昔飼ってた犬がね……」と話し出したことに驚いた。「セラピードッグが認知症患者に与える影響の大きさを実感した」。定休日の毎月第1火曜日を認知症カフェとして開くことにした。

 認知症の人を受け入れるため、スタッフは自治体主催の認知症サポーター養成講座を受講、適切な対応ができるようにした。普段、店ではパスタやカレー、ケーキを提供するが、認知症カフェ営業の日には介護食士の資格を持つスタッフが、高齢者がのみ込みやすいよう食材を軟らかく調理。味付けも薄くして、魚は骨を取り除くなど配慮する。平沢理事長は「一般の人にも来てもらい、認知症の人や介護する人と交流できるカフェにしたい」と話している。

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