在宅訪問管理栄養士しおじゅんのゆるっと楽しむ健康食生活
医療・健康・介護のコラム
コンビニサラダの実力を検証してみたら・・・・・・
みなさんは、コンビニでサラダを買うことはありますか?
私はほとんどありません。それだけで十分な栄養を取れるサラダが少ないからです。管理栄養士は、日ごろ患者さんから食事内容を聞き取りながら栄養量を概算し、計算をしながら指導を行っています。毎日のように献立表と栄養計算結果を突き合わせていると、どのくらいの食事をどう食べれば、バランスを保てるかが分かるようになってきます。やがて、買い物に行っても「このお総菜は価格に見合った栄養も入っているだろうか」と考えるようになってしまいます。いわば職業病ですね。
医師のダイエットをお手伝い
先日、知人の医師がダイエットを始めたと知り、「食事の写真があれば、簡単に栄養計算して食生活のアドバイスをしますよ」とおせっかいを持ち掛けたところ、「ぜひお願いします!」と写真が送られてきました。その中に、コンビニの「コーンサラダ」が映っていました。
千切りのキャベツの上に大さじ2杯程度のスイートコーンが乗せられており、少量の人参や紫色のキャベツ、レタスなどが添えられているようでした。そこで、「コーンには糖質が多く含まれています。ダイエットにはコーン抜きのサラダがお勧めですよ」とお伝えしました。世界には、コーン(トウモロコシ)を主食にしている民族もあるほどです。「野菜だから」と大量に食べてしまうと、ごはんを食べているのと同じくらいのエネルギーを取ってしまうこともあるのです。
コンビニのサラダに限らず、ファミリーレストランの「サラダバー」でも、たっぷりのコーンをトッピングしている方はいらっしゃいませんか? もしダイエット中なのであれば、ワカメやきのこ類、豆類などがお勧めです。
コーンサラダを分解してみました
さて、その一件があってから、私はコンビニサラダの栄養量が気になって仕方なくなりました。サラダを買う人は、「健康になりたい」というささやかな願いを、ひとパックのサラダに込めているのではないでしょうか。単に「野菜が好きだから」という理由で購入している方もいるとは思いますが、コンビニでサラダを手にしている人に「なぜ、これを選んだのですか」と聞いてみたい衝動にかられるようになりました。
もちろん、コンビニに来たお客さんにそんなことを質問したら、店員さんに怒られそうです。そこで「コーンサラダ」と「野菜スティックサラダ」を、近所のコンビニで購入し、「サラダを購入する人の気持ち」を想像しながら、「分解」してみました。
<コーンサラダの中身>
ニンジン 3グラム
コーン 36グラム
紫キャベツ 3グラム
レタス 2グラム
キャベツの千切り 58グラム
<スティックサラダの中身>
ニンジン 29グラム
大根 34グラム
きゅうり 24グラム
キャベツ 11グラム
早速、栄養計算をしてみました。
コーンサラダからは、一日に必要なビタミンCの約3分の1、葉酸は4分の1程度が摂取できる計算ですが、いずれも水溶性のビタミンです。実際には製造過程で洗浄される際に、栄養が流れ出てしまっている可能性が高いのです。みなさんの口に入るころには、どの程度の栄養が残っているのかわかりません。
そのほかのビタミンAやビタミンEなどの含有量は微量で、食物繊維は2.3グラムしか含まれていませんでした。
スティックサラダには、人参が30グラムほど入っているので、ビタミンAは一日に必要な量の3分の1程度がなんとか確保できそうですが、ビタミンCは13ミリグラムと少量で、みかん1個の半分程度です。食物繊維は1.6グラムと、シイタケ3個分の食物繊維にも及びませんでした。
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