すてきLIFE
医療・健康・介護のコラム
[滝村雅晴さん]「パパ料理」で家族笑顔に
昨年11月から、父親向けの料理教室「パパの料理塾」を都内で始めました。仕事帰りの父親が多いので、厚揚げを焼き、ショウガとしょうゆをかけただけのおつまみを最初に作って、ビールを飲んだりしながら料理をしています。
私が料理を始めたのは、2003年に長女が生まれ、外食しづらくなったのがきっかけでした。料理本を見ながら、トマトソースのパスタとタイのカルパッチョを作ったところ、写真通りにできあがったのです。プラモデルと同様、設計図通りに作ればいいんだと気づいてから、料理が趣味になりました。
父親が料理を作ると家族が喜んでくれます。その笑顔を見るとうれしくなり、働く意欲がわきます。家族のための料理をしているうちに、父親が料理を作って一緒に食べる先に家族の幸せがあるのだと気づきました。
父親が作る「パパ料理」を普及させようと決心し、09年に会社を辞め、父親向けに料理を教える「ビストロパパ」を設立しました。
自分が食べたい時に食べたいものを作るのが「男の料理」で、家族が食べたい時に食べたいものを作るのが「パパ料理」です。飲食店を開くのが目的ではないので、得意な定番料理をいくつか作って、ヘビーローテーションで出してもいいでしょう。
家族で食卓を囲める回数は限られています。また、料理を作るようになれば「おなかをすかせていないか」「食欲はあるだろうか」と、子どもに目を向ける機会が増えますし、早く帰宅するために効率よく仕事ができるようになります。
家族の笑顔を見るために料理を作ったり、一緒に食べたりする先に幸せがあるということを伝えていきたいです。
◇たきむら・まさはる 48歳。パパ料理研究家。家族みんなで食卓を囲む「共食維新」を起こそうと、2014年に「日本パパ料理協会」を設立。子育てやワーク・ライフ・バランスの講演も行う。
(吉田尚大)
【関連記事】