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一病息災

闘病記

[レスリング リオ五輪代表 渡利璃穏さん]悪性リンパ腫(1)がん診断…執念の出場

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 2016年8月18日、渡利さんのリオデジャネイロ五輪は初戦で終わった。ブラジル選手を相手に積極的に攻めて1点を先取。4点を奪われ、2点を返し最後まで攻め続けたが及ばなかった。

[レスリング リオ五輪代表 渡利璃穏さん]悪性リンパ腫(1)がん診断…執念の出場

 リオ五輪の女子レスリングは6階級のうち5階級で金、銀のメダルを獲得し日本の強さを見せつけた。それだけに「みんなで金メダルを取りたかったのに情けない」と試合後のインタビューでは悔しさが口をついた。

 五輪への強い思いがあった。リオ五輪の前年の秋に、自分と同じ63キロ級でほかの選手が代表内定を確実にすると、代表が未定だった2階級上の75キロ級での出場を目指して増量を始めた。寮の食事が朝晩2回。おにぎりなどを用意して食事は1日5回にした。

 「体重をご飯で増やそうとして常におなかはいっぱい。気分が悪くなって戻しちゃったこともありました」

 重量級と、まともにぶつかっては勝てない。持ち味のスピードを生かし倒しやすい足首を狙ってタックルする作戦に出た。それが当たり、五輪を控えた3月にアジア予選で優勝し、夢の切符を手にした。

 「健診で胸に影が見つかったから検査を」と監督から伝えられたのは五輪を2か月後に控えた合宿中のことだった。精密検査で血液のがん「悪性リンパ腫」と診断されたが、治療は五輪後に延ばし、「最後になるかも」という覚悟で試合に臨んでいた。

  レスリング リオ五輪代表 渡利 璃穏(りお) さん(27)

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