心療眼科医・若倉雅登のひとりごと
医療・健康・介護のコラム
スマホで子どもの斜視が増加?……韓国で研究論文、日本も同じ傾向か
スマホの使用をやめたら改善 手術や薬剤注射を行う場合も
韓国の論文では、スマホを1か月間使わないように指示したところ、斜視角度は全員減少したということですが、5例は手術が必要でした。
三村さんは、ボツリヌスという麻酔作用のある薬剤を内直筋(眼球についている筋肉のひとつ)に少量注射することで改善させうるとの報告をしていますし、私どもの施設でも、この方法や手術での治療を行う機会が増えています。
しかし、治療よりも、そういう症例を出さないことがより大切でしょう。
韓国の論文は英国の眼科誌に発表されたのですが、それを受けて英国の高級紙デイリー・テレグラフでは、この内斜視の話とともに、スマホによる子どもの精神活動への影響や、精子数減少との関係などが記事で取りあげられています。日本でも近年、スマホ依存による学業成績の低下、睡眠障害、暴力などが大きな問題として提起されています。
韓国のみならず、日本でも若い人のスマホ依存、スマホ中毒は、国をあげて考えなければいけない喫緊の問題だと思います。
(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)
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