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コラム

[大胡田誠さん]障害者も挑戦しよう

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[大胡田誠さん]障害者も挑戦しよう

撮影・吉川綾美

 都内の法律事務所で、弁護士として離婚や借金問題などの相談を受けています。病気や障害のある人がトラブルに巻き込まれることもあり、差別されたり、生きづらさを抱えたりする人が一歩を踏み出せるように手助けしたいと思っています。

 先天性の緑内障のため、小学6年の時に両目の視力を完全に失いました。読書もサッカーもできなくなり、友達よりも劣った存在になったと思い、 閉塞へいそく 感でいっぱいになりました。

 中学2年の時、初めて点字による司法試験に合格した全盲の竹下義樹弁護士の手記を読み、憧れました。29歳の時、5回目の受験で合格しました。誰かの助けを受けて生きていくしかないと思っていましたが、困った人を助ける立場になることができました。孤独や痛みに共感できるのが強みだと思っています。

 仕事にはIT機器やアシスタントの存在が欠かせません。アシスタントが書類をスキャナーで読み取ると、パソコンソフトが内容を読み上げてくれます。打ち合わせのメモや予定は、点字の電子手帳に打ち込みます。

 全盲の私が働いている姿が、困難に直面した依頼者が人生を前向きにとらえ直すきっかけになっていると信じています。

 私はフルマラソンやスカイダイビングにも挑戦し、人生を楽しんでいます。できない理由を探すのではなく、どんな工夫があればできるかを考えると人生の可能性は広がります。

 障害者自身が、どんな配慮や工夫があれば働くことができるのかを伝えて、果敢に挑戦することが大切です。企業や行政は、その声に応えてチャンスを提供すれば、より多くの障害者が仕事で貢献できるようになると思います。

  ◇おおごだ・まこと  弁護士。41歳。静岡県出身。2010年に、全盲で歌手の大石亜矢子さん(43)と結婚、1男1女の父親でもある。つくし総合法律事務所に所属。著書に「決断。全盲のふたりが、家族をつくるとき」(中央公論新社)など。

 (野口博文)

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