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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

コラム

睡眠不足と週末寝だめで陥る「社会的時差ぼけ」 4時間のズレはパキスタン往復と同じ負担…糖尿病、うつのリスクも

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週末海外へ行き、月曜朝に戻ってきたのと同じ

 見てお分かりのように、社会的ジェットラグとは、平日と休日の睡眠のタイミング(睡眠時間帯)のずれを意味しています。ご自分のずれの大きさを知るには、就寝や目覚めの時間より、その中間、「睡眠中央時刻」で比べるのが正確です。私たちの体内時計の時刻は比較的動きにくいのに対して、睡眠時間帯は人為的に動かしやすいため、週末の寝だめなどにより、簡単に時差ぼけが生じてしまうのです。

 では、この社会的ジェットラグは、どれほど体調に影響を与えているのでしょうか。国内にいるとイメージしにくいので、こう考えてみましょう。

 例えば、(3)の「時差ぼけ4時間」の方であれば、週末にパキスタンやモルディブへ行き、月曜の朝に日本に戻る生活をしているのと同じ時差ぼけが生じているのです。ニューヨーク行きほど強い症状はありませんが、毎週繰り返すことで、体にはボディーブローのように負担がかかります。実際、社会的ジェットラグが大きい生活をしている人ほど、糖尿病、脂質異常症、肥満、うつ病、精神機能低下など、さまざまな健康リスクが高まることが調査によって明らかになっています。

世界の3割は時差ぼけ 働く若い世代ほど深刻

 世界各国の調査では、時差ぼけが2時間以上の人は、人口の30%もいると報告されています。時差ぼけが0時間という人は、よほど余裕のある生活をしている人です。例えば、出勤時間を気にしなくてもよいリタイア世代の人は、社会的ジェットラグも小さいことが分かっています。一方で、働く世代、特に若い世代は時差ぼけが多く、その程度も深刻です。若い人は高齢者よりも必要睡眠時間が長いにもかかわらず、残業などで平日の睡眠時間が短く、その分週末の寝だめが長くなるからです。(三島和夫 精神科医)

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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