教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
乳がん検診、何歳から?
マンモは40歳以上推奨
Q 漫画家のさくらももこさんが乳がんで亡くなったね。53歳だったけど、怖い病気なのかな。
ヨミドック 年間約1万4000人が乳がんで命を落としています。ただ、10年生存率は82・8%で部位別で3番目に高くなっています。9月15日に亡くなった女優の樹木希林さんも、最初に乳がんが見つかったのは2004年でした。
Q 早期発見が重要ですよね。マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)による検診を受けようかしら。
ヨ 待ってください。マンモグラフィーは確かに有効ですが、若い人だと乳腺の密度が高くて病変を見つけにくい場合があります。40歳未満は、検診で乳がんによる死亡を減らせるという科学的根拠が十分ではありません。エックス線 被曝 の影響などを考慮し、40歳以上の人が2年に1回受けることが推奨されています。
Q でも若くても心配なときはどうすればいいの。
ヨ 自分で触ってしこりが気になるときや、血縁者に若くして乳がんを発症した人がいて不安なら、乳腺外来のある病院に相談しましょう。問診や超音波検査などでがんの疑いが強まれば、組織を調べます。
Q もし、がんだったら?
ヨ がんの大きさや広がり、薬の効きやすさなどを調べて治療方針を決めます。手術、放射線、薬物療法が基本です。効果がある薬を見つけるために、遺伝子検査をすることもあります。
Q 手術では乳房を取るんでしょう。
ヨ 温存する方法もありますが、最近では乳房をきれいに再建できるようになってきたこともあり、切除する人も増えています。再建手術は保険も使えます。遺伝的に乳がんになりやすいことが分かった人には、全額自己負担ですが、予防的に切除する方法もあります。治療法のメリットとデメリットを理解した上で選ぶことが大切です。
Q 女性って大変ね。
ヨ まれですが、男性も乳がんになるので、しこりや乳房の分泌物に気づいたら受診しましょう。10月は「乳がん月間」です。啓発イベントが各地で行われるので、改めて乳がんを学ぶきっかけにしてはいかがでしょうか。
(森井雄一/取材協力=中村清吾・昭和大学教授、福田護・乳房健康研究会理事長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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