40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
介護の可能性がある期間は男性8.84年、女性12.35年!? 費用の目安は…
先日、生命保険会社の方と話していた時、「『介護に備える保険』といった名称より、『認知症保険』の方が関心を持っていただきやすい」という話を聞きました。確かに、「認知症」はイメージしやすい。「介護が必要になった自分」と言われても、若い人にとっては、あまりにも漠然とした話ですものね。
けれども、厚生労働省が発表した最新の データ によると、介護などが必要となる可能性がある期間は、男性8.84年、女性12.35年だそうです。つまり、「人生最後の10年前後」は、人の手を借りて生活することを想定しておく必要があるんです。
40代からイメージトレーニングを
私は核家族の中で育ったので、初めて「介護が必要なリアル老人」にお会いしたのは、実は40代に入ってからでした。仕事で老人施設を視察させていただいた時に、「『介護が必要な生活』を、全くイメージできていなかった」と痛感したものです。
以来、「介護が必要な生活」のイメージトレーニングを始めることにしました。なぜなら、40代になれば、親はそろそろ介護を視野に入れておく時期に突入しますし、何より、今から介護関係の情報にアンテナを立てておくことは、老後に備える確かな方法のひとつだと思ったからです。
在宅介護の費用の目安は月額5万円
そうはいっても、苦戦しました。とりわけ、介護関係の制度。勉強しようにも、実体験がない私には、全く頭に入らないのです。
そんな折、『これで安心!入院・介護のお金 知らないと損する48のこと』(畠中雅子、新美昌也著・技術評論社)という本が出版され、著者の新美昌也さんにお話を聞きに行ってきました。
新美さんから、介護に関する制度についてレクチャーしていただきました。その中で、私が一番、心に残ったのは、「生命保険文化センターの調査によると、在宅で介護を受ける費用の目安は、住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的費用が約77万円。月々のランニングコストは約5万円。これらの費用は、公的介護保険サービスの自己負担分も含んでいます。介護期間は平均55.7か月ですので、介護費用の平均は計約356万円になります」というお話でした。
つまり、介護が必要になれば、一時的費用を別にしても、普通の生活費とは別に月額5万円かかると見積もっておく必要があるというのです(ちなみに民間の保険会社の「介護保険」の年間給付金額も、「月額5万円=年60万円」の設定が一般的だそうです)。
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