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医療部発

コラム

乳がんのショック乗り越え「再び誇り高く美しく」をモットーに40年~勇退する乳がん患者会「あけぼの会」会長のワット隆子さんに聞く~

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英国人と結婚 5年間の米国生活が患者会設立の原動力に

――設立には、ご主人であるアンドリュー・ワットさんの力や米国生活の影響も大きかったようですね。

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 夫は英国人です。1966年に仕事のため来日しました。たまたまですが、ビートルズと同じ飛行機だったそうです。まもなく、銀座で英会話の練習相手を探していた私が彼に声をかけたのが縁となり、3年後に結婚しました。

 その後、31歳から36歳までの5年間、夫の仕事の都合で、アメリカで生活しました。帰国して3か月後に乳がんが発覚したのです。

 手術の後、アメリカ在住の知人が「first you cry(まず泣きなさい)」という乳がん患者の手記を送ってくれました。米国では、乳がんの体験者が術後間もない患者を訪問するボランティアをしていることを知りました。すぐに夫の力も借りて、そのボランティア組織「reach to recovery(回復への手助け)」を運営する米国がん協会に向け、資料を送ってほしいと手紙を出しました。返事には、日本でも名古屋の病院内に乳がん患者会があると教えてくれました。その病院に足を運び、私は患者同士のやりとりを目の当たりにしました。その体験が新聞への投書につながったわけです。

 米国での生活で得たものは、ただひたすら耐え忍んで我慢することを美徳とせず、困ったら、その道の専門家を頼るなり、助けを求めるなりする姿勢です。それが患者会設立への原動力になりました。患者に自立を呼び掛けたのも、米国の影響ですね。

新聞への投書で仲間集め 闘病記載せた機関誌発行

――投書への反響はいかがでしたか?

 関東地方の患者を中心に連絡がありました。みんなもひそかに同じ思いを持っていた。つながりを求めていた。最初の投書は毎日新聞。連絡先は書かれていなかったのに、新聞社に連絡をとり、すぐに私を訪ねてきた患者さんがいました。その人と意気投合して、「2人いるなら、会ができる」とその気になり、読売新聞の「往信返信」というコーナーにも投書しました。そこには自宅の電話番号も載せてもらったので、患者から次々に連絡がきて、30人集まりました。

 仲間とつながりたい人がもっといるはず。その人に向けて、どう呼び掛けたらよいか、と考えて発行したのが、機関誌「 (あけぼの) 」です。最初に集まったみんなに、それぞれの闘病体験を書いてもらいました。こういうものができれば、マスコミがまた伝えてくれると思って。実際に各紙で取り上げられて、「ほしい」と全国から電話がありました。最初の500部はすぐになくなって、2号、3号と続いていきました。

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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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