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福岡県が「元気予報」サイト…習慣病リスクを8段階表示、「雷雨」なら要注意

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福岡県が「元気予報」サイト…習慣病リスクを8段階表示、「雷雨」なら要注意

福岡県が公開している「ひさやま元気予報」=山田伸彦撮影

 九州大(福岡市)と福岡県久山町が60年近く続けている疫学調査・久山町研究の成果を活用して、同県が、入力された数値から予測した糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを、晴れや雨、曇りなどの天気予報の形式で知らせるユニークなサイト「ひさやま元気予報」を公開した。同県の担当者は「普段の生活を見直してもらうきっかけにしてほしい」と利用を呼びかけている。

 9月中旬に公開。誰でも無料で利用でき、年齢や体重、腹囲、コレステロールの数値などを入力すると、5年後と10年後の生活習慣病の発症確率をはじき出す。ダイエットや運動をすることで見込まれる発症リスクの低下も示すほか、同性・同年代と比較した発症倍率を「雷雨」(6倍以上)から「快晴」(0・9倍以下)までの8段階のお天気マークで表示する。

 久山町研究の疫学調査で蓄積されたデータを基に、九州大が開発した生活習慣病の予測システムを使用。町は2014年度以降、このシステムを保健指導などで活用しており、指導を受けた人の約6割に血糖値の改善がみられた。喫煙者の2人に1人が禁煙に成功したという。

 急速な高齢化が進む中、健康上の問題がなく、日常生活を送れる「健康寿命」は、県内で16年、男性が71・49歳(全国40位)、女性が74・66歳(同30位)となっている。県は、親しみやすい画面で効果的に健康増進につなげてもらおうと、サイト制作を決めた。今後、認知症や不整脈の一種の心室細動、高血圧の発症リスクの項目を取り入れることも検討している。

 県健康増進課の担当者は「自分の健康に関心を持ってもらい、食生活の改善や運動習慣の定着につなげてほしい」と話していた。

 「ひさやま元気予報」は福岡県の情報発信サイト「ふくおか健康づくり県民運動」(https://www.kenko.pref.fukuoka.lg.jp/)から利用できる。

          ◇

【久山町研究】  九州大が1961年から実施。福岡市に隣接し、住民の年齢や職業の構成が、当時も今も全国平均とほぼ同じである久山町を協力先に選んでいる。40歳以上の全住民を健康な時から追跡対象とし、死因特定のための剖検(解剖)も行っている。

レシピ開発や健診指導にもデータ活用

 久山町研究の成果は自治体の保健指導などで活用されている。

 福岡市は2016年8月から、研究データを使った生活習慣病の発症リスク予測システムを活用し、特定健診の指導に役立てている。市健康増進課は「どう気をつけるべきかを具体的に示せる。市民に健康づくりのきっかけにしてもらっている」と話す。

 中村学園大学(福岡市)では、九州大と共同で認知症と栄養との因果関係を研究している内田和宏・同学園大短期大学部准教授(栄養疫学)らが、データを活用して認知症予防のレシピ開発などを行っている。

 研究の運営と管理を担当する二宮利治・九州大教授は「町民の協力で得られた貴重な成果を、今後も広く社会に還元していきたい」と話している。

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