いきいき快適生活
介護・シニア
台風や大雨 避難早めに
頼れる人を作る
台風や豪雨による被害が相次いでいる。体力が十分ではない高齢者は万一への備えを怠らず、防災情報を確認するとともに、早めの避難を心がけたい。
■避難場所を確認
災害時にどこに避難すればよいかを知らないと、避難をためらうことになる。避難経路とともに、自治体のハザードマップなどで調べておく。危機管理教育研究所(東京)の国崎信江代表は「土砂崩れや増水の恐れがあるので、平らな道でも、山裾や川のそばなどは避けて」とアドバイスする。
台風21号により9月、大阪湾では過去最高レベルの高潮が発生した。国崎代表は「過去の経験を上回る災害が多発している。『この前は被害がなかったから、今回も大丈夫』と考えるのは危険」と強調する。
自治体の防災情報メールや、スマートフォンの防災アプリもある。スマホや携帯電話が不得手な場合は、家族などに依頼し、受信できるように設定する。親と離れた地域に住む子どもは、親が住む自治体の情報を受信できるよう設定しておくと、状況を把握できる。
防災行政無線は、窓を閉めていたり大雨が降っていたりすると聞こえないことがある。ラジオ型の戸別受信機を貸し出す自治体もある。必要なら利用したい。
避難のタイミングについて、国崎代表は「1時間の雨量が30ミリ以上と予想されたら準備を始め、状況をみて早めに避難して」と話す。
近所の人と「災害時には一緒に避難しよう」と話し合っておいたり、車を持つ近所の人に「避難する時は乗せてほしい」と頼んでおいたりするなど、頼れる人を作っておく。国崎代表は「近所付き合いこそ最高の防災力」と話している。
■体を冷やさない
避難する時には何が必要だろうか。セコムIS研究所リスクマネジメントグループの舟生岳夫主務研究員は「高齢者は体温の変化に気づきにくい。体を冷やしたりぬらしたりしない服装が重要」と話す。寒さをしのげる服を出しやすい所に用意し、避難時はカッパを着る。
安全な避難を優先し、なるべく荷物は減らす。のみ込む力が弱い場合は、パック入りのアルファ米を用意し、避難所に持っていく。お湯を多めに入れると軟らかくなって食べやすい。
「就寝時などには、常備薬や入れ歯、補聴器などは持ち出しやすいようまとめておくと便利」と提案するのは同研究所ヘルスケアグループの石井純夫研究員。口内が汚れていると 誤嚥 性肺炎になりやすいので、歯ブラシと 口腔 ケア用ウェットティッシュも持参する。体調悪化で会話ができなくなった場合に備え、かかりつけ医の診察券やお薬手帳、アレルギーがある場合は書いたメモなどを用意しておくと、医師や救急隊員が対応しやすいという。
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